実用ドイツ語教室(第16回)

エマおばさんの小さなお店 (Tante-Emma-Laden)

 ずーっと、そういう店がどこかにあるのだと思っていました。あるいは物語のものか。いづれにせよそういう店だと。エマおばさんってどんな人だろう。若い頃はすらっとして足が長く、きれいなおねえさんだったのか。いつ頃からか、足が、おしりが...どーん、どーん。「おばさん、栓抜きある?ドゥンケル、店の前で飲んでってもいい?」「ああ、じゃそこのグラスを使いな。」
 ところで、マイヤーおばさんってのも有名なのです。マイヤーおばさんって...いるよね実際。これ、トイレなんだって、タンテ・マイヤー(Tante Meier)。マイヤーさん同盟で反発運動なかったのかな。トイレの前のお皿の横にいるおばさん、マイヤーさんっていうのかな。でも、タンテ・マイヤーは、たまにドイツ人でも知らない人もいます。エマおばさんの勝ち。なんじゃそりゃ。
「タンテ・エマ・ラーデン(よろずや)」

アウスゲラステット (ausgelastet)

 えー、すこし文法ですが、「過・去・分・詞」。なんじゃ、こりゃー、と松田優作。探偵物語は爆笑したなあ。まねしたなあ、あの100円ライターのガスを最大に出してタバコに火をつけるやつ。タバコの味わいもわからないくせに。
 アウスラステン(auslasten)は、アウス(aus-)とラステン(lasten)が分離してしまう、仲の悪い動詞です。アウスがすねて、いちばん後ろに行ってしまうのです。で、ラステンが過去分詞になって、ゲラステット(gelastet)。ほんで仲直りしてアウスゲラステット。でも、「ゲ(ge)」は間に居座る。
 これ、インターネットでイエローページ(ドイツ弁、ゲルペ・ザイテン(Gelbe Seiten))を見てたら出てきました。辞書みて、ほんほん、なるほどなあ、なっとく。と、「はよー、調べたいのに、どういうこっちゃねん。」という怒りよりも、そんなおだやかな気持ちになってしまった言葉です。機会があったら使ってやろうと、すぐに一口・メ・モ・(ミルねーさん)。
「アウスゲラステット(もうあかん、これ以上言ってもなんもできまへんでー。)」
注)フォル(voll)なんていうのをつけたしたら、もっと完璧。
注追加)これ、実はまだ余裕があるそうです(by Sebastian)。もうあかんってときは、ユーバーゲラステット(uebergelastet)だそうです。


ゼルプスト・ゲカウフト (selbst gekauft)

 この際「過去分詞」、もう一回出してやれー。ゲリーベン(gerieben)、は、もうすっかり出したし...。前出ので、勘のいい人なら、ドイツ語の過去分詞は、ゲ(ge)+ト(t)、って。しかし分詞っていったいどういう意味なんだろう。分詞ねえ。ただし、これは規則動詞。ゲリーベンは不規則。生活は規則正しく。わたしは不規則。ゲマハト(gemacht)とゲカウフトは、規則的、優等生。
 NHKのドイツ語会話に、「フライブルグ夏物語」ってのがありました。このなかのギャグ。「おいしいね、この料理。自分で作ったのかい?」「ううん、自分で買ったの。」
 このあいだちょっとしたパーティで使わせてもらったら、大受けしてしまいました。オリジナルでなかっただけに、ちょっと...。ともあれ、NHKの方、どうもありがとうございました。
「ゼルプスト、ゲカウフト(おまえ、カイモンさえ、人にさすんか。つくらんのやったら、せめて自分で買いに行かんかい。)」

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