実用ドイツ語教室(第22回)

ドッホ(その2) (Doch)

 「否定の疑問文に対する肯定の答え」なんて...?「そうじゃない?」ってきかれたときの「そうそう」のこと。この「否定」には、遠慮や疑義も含まれるのだ。だから、「これお願いできるかなあ?」なんていう依頼、ただし遠慮を含むときに、「いいよ」ってときに「ドッホ」、「おまえそこにいたんじゃないのか?」という肯定、ただし疑義の疑問文で、「いなかったよ」っていう否定の答えでも「ドッホ」のようなのです。ふーん。
 我家の隣人はアダム(Adam)夫妻。だんなさんはもう退職し、趣味の木工を楽しんでいる。奥様は上品。少しだけ英語ができる。引越してきた当初は、この英語に助けられた。最近はとてもゆっくりとドイツ語で話し掛けてきてくれる。勉強になる。だんなさんはドイツ語のみ。だが、ばったり会う機会は圧倒的に多い。ケラーで木工にいそしんでいるからだ。
 あっ、アダムさんだ。えっと、なにか話さなきゃ...「こんどドイツ語教えてくださいね。」...で、答えは
「ドッホ(ドイツ語で一番便利な言葉らしいのだが、とっても奥が深そうだ。)」

シェーン (Schoen)

 カムバーック。あーあ。
 グート(gut)って以前出たよね。ところが日本語の「いい」っての。とくにプラスの意味の「いいわねえ」とか「わあ、すてき」(←「いい」でないじゃない)なんての。グートよりもこのシェーンを多く聞くような気がします。「かっこいい」とか「やるわねえ」「そりゃいいや」「そうしよう、そうしよう」「それでいいわ」こんなの全部、シェーンでOKのようです。「まあいいや」ってときがグートかな。ほんとうかな。北と南で傾向があるってのも聞いた事あるけど。それからOがウームラウト(点々付き)でないショーン(schon)は違う意味です。
 そういや、ダンケシェーン(Danke schoen)、ビッテシェーン(Bitte schoen)。あいさつの基本にもよく出てくる。ドイツ語の先生もやたら連発。
「シェーン(これきっといちばん「いい」言葉では?)」

ヴォルケンクラッツアー (Wolkenkratzer)

 上級コースの授業。「先週は何をやったかなあ...ブライアン?」「えっとぉ...動詞と前置詞の組合せと...」「そうね、形容詞もやったわね」「ほかには?ポール?」「州都」「Schoen!じゃ今週は何やろうか...ドイツの街について説明してもらおうか。じゃ、ヤッコ、まずミュンヘンから。」「えっ、えっと」「ビール、ビール」「ポール、黙って!」「えっと、マリアンプラッツがあって...」「そう、ミュンヘンの有名な広場ね。(これについては2格の回で後述予定?)」
 フランクフルトって、どこの州都でもない。ボンとかケルンも。ベルリンとハンブルグとブレーメンは、都市だけで州の機能をもつらしい(すこしだけ地理教室)。で、フランクフルトの説明があたった。となりのステファニー(仏蘭西人)に(ほとんど全部)助けてもらいながら「マイン川の横にあって...大きな銀行の高層ビル群(Hochhaeuser)があって...」「高層ビルは他に何ていうか知ってる?」これ、ほんとたまたま知っていた。だから答えられてうれしかったのだ。
「ヴォルケンクラッツアー(摩天楼)」
注)でも、発音を修正されました。「ラ」のあたり。

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