実用ドイツ語教室(第27回)

スタッハス (Stachus)

 地名、愛称。これをさらっと使えると、なかなかミュンヘン人っぽい。「今、スタッハスにいるの。」駅名や看板にもかっこで書かれている。日本だったらどこだろう。京女に続く坂道を「女坂」というような?これは看板には書かんだろう。器からはみでたカキ氷がなつかしい。
 なんでこう言うのか、まったく知りません。どんな意味かも。それくらい調べとけって?はい、すいません(素直)。
「スタッハス(カール大帝の広場(Karlsplatz))」
注)これカタカナにするの難しいです。実際はもうすこし違うふうに聞こえます。それから「カール大帝の広場」ってのも誤訳かもしれません。

家にいる (zu Hause sein)

 「家に(いる)がツーハウゼ(zu Hause)、それで家に(帰る)がナッハハウゼ(nach Hause)よ。わかった?」それはいいんだけど、先生、ぜったい冠詞が要るっていったじゃんか。それにハウゼのさいごのeってなに?
 語学の勉強は深く考えないのがコツだと思います。このeについてドイツ人にきいても「ふつうつけるわよ。」ぐらいの答えです。「ツーハウゼは、アムハイム(am Heim)とおんなじだよ。」ってきいてもいないことを教えてくれます。だいだい母国語のなりたちみたいなの、そんなん考えないもんね。日本弁...の本にも、「慣用的に」と書いてあるだけです。
「ツー・ハウゼ・ザイン(辞書にはこのように書かれますが、実際には、Ich bin zu Hause. などというふうに言います。)」
注)たしか日本人に教わった。昔の3格の語尾変化のなごりだそうです。アムヴェゲ(am Wege)なんてのも同じです(でもこっちは冠詞がついてるなあ)。ドイツ語もだんだん変化がなくなってきてるんですね。

ゲニティフ (Genitiv)

 さあ、今回は全部説明だ。(頭痛い?)
 わたしの日本弁ドイツ語のすすめでは、ドイツ語の「格(Fall)」が1,2,3,4となっています。ところが、ドイツ弁講座(ただし初級)には2格(Genitiv)がありません。1格(Nominativ)はよいとして、まず4格(Akkusativ)が出てきます。次に3格(Dativ)です。これは2格を知らなくても会話が成り立つからです。前置詞で表現できるのです(von+Dativとか)。日本のような機械的な冠詞の覚え方(デアデスデムデンなんての)がありません。「男性を除き1格と4格は同型、3格はがんばって覚えよう。」なんてふうです。ついでに1格(1. Fall)などと、格を数字ではあまり言わないようです。それぞれ前述かっこ書きのとおりに書いてあるのが多いようです。
 それで現代口語ではこの2格がすたれてきているらしいです。つまり2格を使うと、少し古めかしい表現になるらしいのです。論文とかにはよく使われています。口語では、「あーら、これはわたくしの本でございますわ。」ってなときに使うそうです。ところで地名や人名には冠詞をつけない場合が多くあります。そのとき語尾にsをつける(アポストロフィーは要りません)と、2格を表現できるらしいのです。前出の「ミュンヘンの有名な広場」も、2格を使うと、いかにもってふうにかっちょよく表すことができるようです。
「デア・ベカンテ・プラッツ・ミュンヘンス(というふうです。)」
注)der bekannte Platz Muenchens 2格(ミュンヘンス)は後ろにきます。

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