実用ドイツ語教室(第29回)

床屋 (ein bisschen kurz)

 だいたい評判が悪い。こちらに住むアジア人の髪型は、何故か短髪が多い。急に短髪に変化することも多い。そうでなければボウボウか。
 このアインビスシェン(ein bisschen)は、「少し」っていうことのようですが、こういう感覚的な表現って、人によって解釈が違う。とくに異国文化の中では、驚かされることが多い。語彙が少ないことが、これに拍車をかける。
 で、驚かされました。それで、いちばんハードなので髪を立たせるはめになってしまいました。はやく伸びてくれー...さて、伸びたらどこで散髪しようか。
「アイン・ビスヒェン・クルツ(少しだけ短めにお願いします。)」
注)チップまで要求してきやがって。あほんだら。

ヴェク (weg)

 名詞ならば「小道(Weg)」ってとこですか。いえの近くにもなんたらヴェークってのがあります。
 発表の資料をパワーポイントで作ったら、先生がやたら各ページ毎に「ヴェク、ヴェク」って。手振りや雰囲気を察して、「削除、削除...」(とほほ、せっかく作ったのに)。
 これから準備されるものを断るときは、ナイン・ダンケ(Nein, danke.)でしょう。すでに準備されてしまったものを断るときは、ヴェクが便利な言葉になる、と思います。ビッテ(bitte)ぐらい添えますか?
「ヴェク(いらん)」
注)その結果、ページ数の少ないすっきりした資料ができました。ちきしょう。

オバツダ (Obatzda)

 バイエルンの名物チーズです。「混ぜ合わせて解からなくする」ってのがバイエルン料理の基本で、まさにそんなふうです。とあるウェブでレシピを見つけましたが、材料と分量があるだけ。あとはひたすら「混ぜる!」でもビアホールで、ブレーツェルなんかのパンにつけて食べると、これがうまい。
 スーパーでも売っている。ところがこれはどうも今ひとつなのだ。それでチーズ専門店に行く。うーん、これも。レストランの味はどこへ?
 先日、オバツダだらけの店を見つけた。でもこれフレッシュチーズ(で、いいのかなあ、一般名称)だぞ?「これ全部オバツダなの?」「そうよ。オバツダってごちゃ混ぜにするってことよ(ほんとか?)。」「これだけがオバツダだと思っていた。」「そうね、それが一般的なやつね。」まずまず、よかったです、そこの。
「オバツダ(でも、やっぱりレストランのがいいな。)」

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