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20240229第3報_令和6年能登半島地震のボランティアの参加を考えている学生・院生の皆さんへ

20240229第3報

令和6年能登半島地震のボランティアの参加を考えている学生・院生の皆さんへ

〜支援のシステムとスタイルが多様化する中で志を大切に〜

2024年2月29日、第3報)

 令和6年能登半島地震から2ヶ月を迎えようとしています。改めて被害に遭われた方々にお見舞い申しあげます。

 立命館大学サービスラーニングセンターでは、110日と131日の2回にわたり「令和6年能登半島地震のボランティアの参加を考えている学生・院生の皆さんへ」を発表し、ZoomミーティングやLINEのオープンチャット等を用いて、一人ひとりの思いが形になるための繋ぎ役となるよう努めてきました。そして131日の「令和6年能登半島地震のボランティアの参加を考えている学生・院生の皆さんへ」の第2報(https://www.ritsumei.ac.jp/slc/event/detail/?id=437)でも触れたとおり、石川県七尾市において、多様な大学・組織・個人の連携による支援のリレーを展開してきました。

 具体的には、石川県七尾市の田鶴浜地区では駅伝競技が盛んであることにちなんで「能登半島ボランティア駅伝プロジェクト」と題し、避難所の運営補助の活動を行ってきました。その様子は北國新聞「避難所生活カフェで一息 京都の学生、田鶴浜武道館で運営」(26日朝刊)や京都新聞「能登支援、少人数でも心寄せ」(29日朝刊、213日デジタル版)などでも紹介されていますが、22日から29日まで、のべ97人がそれぞれの思いを「襷(たすき)」のように引き継ぎながら、被災された方々の生活空間がよりよくなるためのお手伝いをさせていただいてきました。

(内訳:龍谷大学生45、龍谷大学院生7、佛教大学生1名、龍谷大学教員6、立命館大学生14、立命館大学教員11APU学生2、日本福祉大学教員4、東海大学生3、東海大学教員3、卒業生1

 このような大学間連携のもとで特定の協力先との関係構築を重ねていく方法は、東日本大震災の支援の際にも模索されたものです。大規模・広域・複合型の災害においては顔の見える関係づくりとして特定の自治体とのあいだでの「ペアリング支援」が導入される傾向にありますが、立命館災害復興支援室では被災地全体からすれば「顕微鏡レベルの小さい活動」を「マイクロパートナーシップ」と位置づけて、地区レベルでの支援に取り組んできました。(参考:立命館土曜講座講演録 20124月テーマ「311——大学から、日本の未来に向けて。」p.14https://bit.ly/201204rits_sat_seminar

 今回の七尾市田鶴浜地区で取り組んできた「能登半島ボランティア駅伝プロジェクト」もまた、支援する側とされる側との直接的なコミュニケーションを行っていくことによるマイクロパートナーシップの一つではありますが、発災から2ヶ月が経ち、現地の状況も変わってきました。そこでこの第3報では、既に現地で呼びかけられている多様な支援活動の型を紹介することで、自らに合う活動の選択肢を見出すことができ、結果として一人ひとりの志が大切にされることを期待しています。

1)事前登録が必要な取り組みの例

(1)石川県災害対策ボランティア本部
https://prefvc-ishikawa.jimdofree.com/ボランティア事前登録/
→穴水町に「奥能登ベースキャンプ」が226日に開設されたことを受け、事前登録後に前泊型・12日型の活動、また1月末から展開されている当日型の活動が案内されます。

(2)一般社団法人ピースボート災害支援センター
https://pbv.or.jp/volunteer/202401_ishikawa
→活動日が5日以上確保できる方が募集されており、事前登録後に石川県珠洲市・輪島市での支援活動が打診されます。 

2)先着順で現地に駆けつける取り組みの例

(1)京都府災害ボランティアセンター
http://fu-saigai-v.jp/saigai/345/
228日に12日(京都駅夕方発、金沢市内泊、翌朝から夕方まで石川県七尾市で活動して当日夜に京都駅着)の活動の参加者を229日の12:00から先着順で募集すると案内されました。
追記:2.29 12:15 募集受付終了

(2)現地の災害ボランティアセンター
https://prefvc-ishikawa.jimdofree.com
→前出の「石川県災害対策ボランティア本部」による「令和6(2024)能登半島地震・石川県災害ボランティア情報」の中には、「募集範囲:全国(県ボラバスのみ)」としている災害ボランティアセンターだけでなく「募集範囲:全国」として個別にGoogleフォーム等でボランティアを受け付けている自治体(窓口は社会福祉協議会)もありますので、随時更新される情報を確認ください。

3)相談の上で活動先や活動内容コーディネートされる取り組み

(1)一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟
https://www.facebook.com/Jaswe.saigaishien
→全国の社会福祉士・精神保健福祉士養成校258校で組織されている連盟(立命館大学も会員校)として2月下旬から8月下旬まで学生の支援活動を後方支援する方針が示されており(http://jaswe.jp/doc/saigai_shien_project_2023.pdf)、224日には能登町災害ボランティアセンターとの連携のもとで立正大学、埼玉県立大学、大東文化大学の学生が活動したことが報告されています。(https://notovc-ishikawa.jimdofree.com/活動報告/

(2)立命館大学サービスラーニングセンター
https://www.ritsumei.ac.jp/slc/event/detail/?id=435
→冒頭で紹介した「能登半島ボランティア駅伝プロジェクト」の他、2024110日の「令和6年能登半島地震のボランティアの参加を考えている学生・院生の皆さんへ」第1報でも示しているとおり、現地に駆けつけたい、募金活動を始めたい、長期的な活動を計画したい、そうした各々の相談に対応しています。

 先日の第1報・第2報を経て、今回の第3報では、現場で一人ひとりを支えたい、まちの復旧・復興に貢献したい、という思いを抱いている方々に、どのようにしてその一歩を踏み出せばいいかの選択肢が広がることを願って情報提供を行いました。別の言い方をすれば、既に募集されている活動の他にも、新たな選択肢を作ることもできます。

 今回は紹介しませんでしたが、災害を日々の活動テーマとしている団体による独自の活動も多面的に展開されています。例えば、立命館大学生の多くが所属・参加している「IVUSA(特定非営利活動法人国際ボランティア学生協会)」は112日から現地で支援している内容をBlogで毎日報告(https://www.ivusa.com/?p=15904)していますし、大谷大学教職員有志による東日本大震災復興支援のためのボランティア活動「大谷大学TAT」(https://www.facebook.com/otani311)では真宗大谷派現地災害救援本部ボランティア支援センター等との協力のもとで教職員・学生による支援活動が準備されてきました。

 ただし、令和6年能登半島地震では、コロナ禍でのソーシャル・ディスタンシングを通じた感染対策の影響も反映しているのか、ボランティアへの自粛論と迷惑論が広がると共に、学生だけでなく現地行きを躊躇する方々が多く見られました。例えば131日の朝日新聞で災害心理学が専門の宮前良平先生(福山市立大学講師)は「今回の震災で驚いたのは、『行かないことが支援』という言葉が生まれたことでした。これまでも寄付など『行かなくてもできる支援』はありましたが、今回はさらに進化し、ボランティアとして現地に行くこと自体が批判されました。」と指摘しています。

 実際、2月に展開してきた「能登半島ボランティア駅伝プロジェクト」でも「本当に行っていいんでしょうか?」といった疑問や不安を抱いて現地を訪れる学生が複数いました。しかし、現場で多くの方々と交流して現地を離れる頃には、顔の見える関係づくりを通した支援のリレーの担い手としての役割が見出され、次の担い手に自らの気づきと共に引き継がれつつ、支援の継続と発展が導かれています。

 少子高齢社会・人口減少社会ということも重なって、現在の災害復興には長きにわたる時間と有形・無形の多くの資源が必要とされます。314日には日本ボランティアコーディネーター協会によるボランティアコーディネーション力検定公式テキスト「ボランティアコーディネーション力」第3版が刊行(https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784824300102)されますので、こうした書籍や検定制度を利用することで支援する側・される側をどう結ぶのかについての知識と認識を深めていくことも、今回の災害のみならず、次の災害に向けて、さらには日常生活においても必要とされるのではないでしょうか。

 これからも立命館大学サービスラーニングセンターでは、立命館災害復興支援室との連携・協力のもとで引き続き、距離を超えて心を寄せて支援を重ねて参ります。学生・教職員・校友(卒業生・修了生)その他一般の方々を含め、何らかのご質問・ご感想・ご提案・ご要望などありましたら、遠慮無く以下までお寄せください。

<ボランティアに関する立命館大学内の相談・問合せ窓口>
◎衣笠キャンパス/朱雀キャンパスの方
サービスラーニングセンター(衣笠)尚学館1
2/26(月)より有心館1階から移転しました
電話:075-465-1952

 ◎びわこ・くさつキャンパスの方
サービスラーニングセンター(BKC)セントラルアーク2
2/26(月)よりアドセミナリオ1階から移転しました
電話:077-561-5910 

◎大阪いばらきキャンパスの方
サービスラーニングセンター(OICA1AN事務室
電話:072-665-2195 

<災害ボランティアセンター/ボランティア募集情報> ※随時情報が更新されます。
全国社会福祉協議会 被災地支援・災害ボランティア情報  https://www.saigaivc.com/
京都市災害ボランティアセンター http://ksvc.jp/
京都府災害ボランティアセンター http://fu-saigai-v.jp/
滋賀県災害ボランティアセンター https://www.facebook.com/shiga.saigaivc/

<関連する本学の情報>
◆立命館災害復興支援室 https://www.ritsumei.ac.jp/fukkor/

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