2002/8/14 〜 9/14
Dept. of Health and Performance Sciences, Center for Human Movement Studies,
Georgia Institute of Technology(Georgia tech),
Atlanta, GA, USA
(アメリカ合衆国 ジョージア州 アトランタ, ジョージア工科大学)
"Control of force by the arm during learning of mechanically redundant motor task."
「人間はその冗長自由度な腕をどのように学習し制御しているか.」
人間の腕は機械的に見ても,あるいは腕を動かす筋肉という観点からも冗長自由度である.
そこで,人間がある動作を繰り返しながら習得していくということにおいて,
人間が発生する関節トルク(肩,肘,手首)と,筋肉の動きをEMGという手段を用いて計測を行った.
実験方法としては,腕の動きは固定された状態であり,
ナイフのように柄のついた力センサに対して力を加えるという動作を行った.
したがって,わかりやすく言うならば,人間の腕における位置制御ではなく,力制御を行った実験である.
計測したデータとしては,力センサで手先力,あとEMGである.
自分なりの海外実習の意義として,1番目に挙げられることは,海外に単身で行き生活をしてくるというものであった.
今まで海外で6年生活をした経験があるが,それは周りに親をはじめとした言葉が通じる環境での海外生活だった.
そこで,頭では何とかなるだろう,と思っていたことを海外実習という手段を用いて挑戦する機会にめぐりあえたので,チャレンジした.
そのほかにも,せっかく学生には長い長期休暇があるので,学校という日常空間から,
今の自分にとっては非日常的なアメリカの大学での研究活動というものに挑戦したかった,ということが挙げられる.
海外実習は人それぞれ行く場所も違えば,行く動機も違うものである.僕なりの実習の意義というのを簡潔にまとめると,
「自分の知らない世界に飛び込んで行くことによって,自分の視野を広げる」,ということである.
自分がお世話になった研究室は,基本的に朝研究室に来て,夜は家に帰る,という規則正しい生活を営んでいた.
自分の所属している有本・川村・伊坂研究室について言うと,研究室全体で見て,
朝研究室に来るという人は少数派であるように感じる.
朝人がいたとしても,ほとんどは昨日の晩からいるということがほとんどである.
したがって,生活パターンがアメリカの研究室はまともであるということを一番感じた.
原因として考えられることは,アメリカの研究室は日本の研究室と比較して,
学生の割合が少なく研究員(教授,助教授,ポスドクも含む)の割合が多いため,
"study"ではなく"job"の意識が強いため社会的に見て普通な時間帯に活動しているのではないかと考えられる.
その他にも,研究室に所属している人の中で個人研究室を持っている人たち(教授など)も,
自分が部屋に滞在している間は常にドアを開いており,
学生や研究員,教授みんなが積極的にコミュニケーションを図る環境があったのは,日本の大学も学ぶべき点だと思った.
あと,研究の仕方については,日本と比較したらプレゼンの発表資料や,論文を書く時間が多いように感じられた.
日本でもそうだが,日本以上にアメリカは発表の場というのは重要視されているような気がした.
アメリカでの生活で使う言葉はすべて英語である.
アトランタはロスやサンフランシスコと比較して日本人が少ないので,
僕の滞在していた1ヶ月の間日本語を話すこともなかったし,聞くこともなかった.
日本人がいないという環境のおかげで英語の必要性,あるいは英語を学ぶモチベーションをあげることができた.
英語でのコミュニケーションは基本的には困らなかった.
研究室の人たちも日本人ということで,多少はゆっくり話してくれたというのもあるが,問題はなかった.
ただし,アメリカ人同士が話している会話についていくには,少し慣れる必要があった.
やはり自分が以前住んでいた国も英語が公用語の国だったが,英語を母国語とする人たち同士の会話には慣れが必要だと感じた.
アトランタと日本の文化の違いは一言で言うと「コミュニケーション」である.
アトランタの人たちは,アメリカ南部という土地柄のせいか,知らないひとであろうが,
知っている人であろうが関係なく話をしているというシーンをよく見かけた.
また,自分が街中を歩いているとよく話しかけられたというのも事実である.
アトランタは一般的に治安が悪い都市とされているが,治安の悪さというのを実感する機会はなかったが.
住んでいる人の話では,日中行動するなら何も問題はないということである.