2002/8/20 〜 9/18
Korea(大韓民国)
Korea Institute of Industrial Technology(KITECH)(韓国生産技術研究所)
4つのプロペラを有する飛行ロボット,X4-Flyerの製作・制御を行うための
必要なデータを獲得することである.今回は各ロータの推力と電圧の関係を
調べた.また,X4-Flyerに搭載するジャイロセンサやキャリブレーションを
行うときに用いる力センサ等のチェックプログラムをVisual Basicを用いて
作成した.
海外での実習は言葉の壁が厚かった.言いたいことが全く通じないことがあ
るため,できるだけ単純明快かつ簡潔に,相手に理解できる形で伝えなけれ
ばならなかった.言葉が通じると蛇足が増えて話の主旨がわからなくなるこ
ともあるが,今回の実習を通して,必要な情報を最小限の説明で伝えること
を考えるようになった.また,相手も同様で言いたいことが伝えられない場
合に,読み取れる少ない情報から話の主旨をつかむことができるようになっ
た.これらはどのような状況においても必要な能力であるが,この実習であ
る程度は相手と以心伝心できるようになったと感じている.
このKITECHは大学ではなく国立の研究機関である.韓国ではこういった
研究機関が各大学へ学生を研究員として募集をしている.そして採用された
学生らが各研究機関でそれぞれの大学のテーマをその研究機関の目的に沿っ
て進めてゆく.ちなみにKITECHでは産業技術の開発・向上を目的としてい
る.今回の実習はこれらの学生に混じって行ったので,研究室の雰囲気は日
本に居るときと何ら変わらなかった.ただし,ここでは製品化を考えて開発
を行わなければならないので良いものを作ろうとする学生のモチベーション
は高い.また研究の進め方だが,日本人は先に理論から勉強を始めるが,韓
国人はとりあえず作ってみることから入る,とある研究員がおっしゃってい
た.
まず何より気になるコミュニケーション言語について.韓国語が話せれば
当然それにこしたことはないが,僕はできないので世界標準語の英語で話
した.だが,すんなりと会話をすることは正直難しい.英語よりも漢字を
書いたほうが通じることもある.たまに日本語を話せる人がいて,"少しで
すが"とは言うものの,少しでも日本語を聞けると嬉しいものだった.だが
たとえ言葉でのやりとりが難しくても,相手が友好的に接してくれたので
日常生活や研究は問題なく過ごせた.土・日は仲良くなった友達が韓国を
案内してくれた.車を方々に飛ばしてくれたので,ツアーではありえない
程に広範囲にわたって韓国を満喫できた.日本の文化等も幾らか入ってき
ているので,生活に慣れるのはそう難しくない.ただ,食事はおいしいも
のの何かと辛いものが多いので,慣れないうちは胃腸の調子に要注意.