阿部 星児


2004/8/16〜2004/9/14


Electrical Engineering and Computer Science Department
Tulane University
New Orleans, Louisiana, USA
(アメリカ合衆国 ルイジアナ州 ニューオーリンズ,テュレーン大学)


    実習内容としては次の二つが挙げられる.
    1. 環境モニタリングのための低価格遠隔操縦型水中ロボットの開発
      ニューオーリンズを囲む水環境の水質調査やメキシコ湾での不審船侵入の監視のために,安価なRemote Operated Vehicle (ROV)を開発し,大学内のプールでアメリカ海軍などの資金を提供してくれる協力者の方々を相手にデモンストレーションを行った。私が担当したことは,ROVに搭載したpHや水温,酸素を計測する環境センサのリアルタイムモニタリングソフトをVisual C++を用いて作成したことである.
    2. 水中ビークルマニピュレータシステムの適応スライディングモード制御
      水中ビークルマニピュレータシステム(UVMS)で水中作業を行わせる際,慣性パラメータが未知な物体を掴んだ場合でも制御性能を劣化させずに外乱に対してロバストな制御を行うために,適応制御とスライディングモード制御の適用を考えた.そのために制御則の安定性を証明するとともに,既存の制御則との比較を数値シミュレーションによって行った.私が担当したことは,Visual C++を用いた数値シミュレーションである.

 私にとっての実習の意義として,日本での生活と同じようなことを海外でやるとどうなるか体験してみることが挙げられる.私は現在水中ロボットの研究をしており,研究主体の生活を送っている.実習先も同じく水中ロボットの研究を行っているため,今回の実習先としてふさわしいと思い,参加することを決めた.また,アメリカは軍事産業や海底産業が盛んなため,日本に比べて水中ロボットの需要が多い.これらの産業がどのようなロボットを欲しがっているのかを知り,私たちが考えているものとのずれを認識することも実習の意義であった.