実習内容の目的としては、UVMSにおいてロバストかつ高エネルギー効率で制御できる制御方法の探索であった。そこで、今回の実習では6自由度(並進3自由度、回転3自由)水中ロボットに3自由度アーム(3リンクアーム)のシミュレータを作成し、そのシミュレータを用いて、スライディングモード(SMC)とファジー制御を適用して
ロバスト性とエネルギー効率性を検証した。シミュレータ自体はドクターの方と坂上さんの方でC++を使用しほとんど作られており、私は初めMATLABでのシミュレータ作成を担当したが、あまりにもシミュレーション時間がかかるため、2週目からはC++で作られていたものの改良と、SMCとファジーを適用する際の最適ゲインの探索を行った。また、ニューラルネットワークなどの適用も考えているとのことだったので、そちらの取り掛かりも行った。帰国してからは、実習先での内容を計測自動制御学会(SI)へ論文投稿し、発表を行った。
私にとっての実習の意義は、挑戦!である。院生になってから、大学時代に海外実習しとけばと思ったことがきっかけとなり今ならまだ行ける!と思ったが吉日で海外実習を決意しました。海外との研究スタイルの違い、生活の違いを吸収し、経験をつむことが目的であった。
あちらの研究室は先生とドクターの方が1人、学部の方が一人といった少人数制であった。私はシミュレーション担当であったため、主にパソコンとの戦いとなりましたが少人数のため、先生との距離も近く、ちょこちょこのぞきに来てディスカッションを行える雰囲気であった。また、一緒に行った幸王の方はハードウェア担当であったが、思い立ったら材料を買いに行く、センサ、モータを頼むといったスピードには驚いた。たしかに慎重に選ぶことも大事であるが、とりあえず作ってみる、使用してみるといったスピーディさにもならうところがあるだろう。また、海外といってもハード、ソフト共に共通言語として議論が行えるため、自分の経験を生かせる場は多分にあるので、しっかりと基礎は抑えておきたいところである。
とりあえず、一番の出来事はハリケーンカトリーナである。台風から逃亡生活を送るといった貴重な経験をさせていただいた。テュレーン大学は広大な土地に広がる大学であり道端にはリスなんかも走る自然いっぱいな大学であった。大学からはストリートカーと呼ばれるチンチン電車のようなものにのり、ダウンタウンであるバーボンストリートに行くことができる。そこではバーが立ち並んでおり、来るもの拒まずといった寛容のある感じで、我々のような日本人が片言英語でも歓迎された。他にダウンタウンの近くではミシシッピ川も流れていたり、カジノがあったりと楽しむ分には困らないところである。ただし、少しそこを離れると治安の悪いところではあるので、無理をしないことが重要である。
あと、アメリカは鳥がうまい!やみつきである。