2014年度  - 海外実習 -


山本 将平


2013/8/5 〜 2013/9/5


Intelligent Robotics Lab, School of Electrical and Electronic Engineering, Nanyang Technological University,Singapore (シンガポール ナンヤン通り,南洋理工大学)

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 現在,私は水圧シリンダを用いた水圧駆動ロボットアームの設計開発を行っている. 水圧シリンダは非常に高価であり,破損する可能性があるため,挙動には限界がある. また,実環境での実験も容易ではない.そこで,水圧シリンダの挙動を,水圧駆動系全体のモデリングを行い, シミュレーションを行うことで,破損の危険なく性能を試験することができる. その際,水圧駆動系に必要な配管やバルブ,ポンプ,シリンダなどのモデリングも行い,圧力と流量の損失についても考慮する. 水圧シリンダのシミュレーションは,一般的なモータを用いたシステムよりも,遅れが多く,非常に不安定なものである. そのため,南洋工科大学のシミュレーションを専門に研究されている先生の下で研究を行った. 先生には,パラメータの提案や新たな制御方法の提案をしていただいた.それらの助言のおかげで, シミュレーションをうまく収束させることができた.この結果は今後実際に設計する際に用いることができる.
私の思う海外実習の最も大きな意義は,海外の学生と同じ目線で研究に取り組める点である. シンガポールは新興国ということもあり,学生の意識がとても高いように感じた. 日本の学生の意識が低いというわけではないが,シンガポールの学生は研究を心から楽しんでおり,目が輝いていた. 高度成長期の頃の日本の学生は,このように目をギラつかせていたのだなと思い,刺激を受けた. また,研究の打ち合わせや日常生活で,英語を使わざるを得ない環境であるので,英語能力は少なからず向上したと思う.
シミュレーションというこれまでやって来なかった分野を集中的に行ったので,苦労は絶えなかった. しかし,南洋工科大学のCHEAH先生が優しく,わかりやすい英語で指導して下さった甲斐もあり,結果を出すことができた. 苦労が多かっただけに,できたときの達成感は非常に大きいものであった. CHEAH先生は非常に優しい先生で,研究だけでなく,シンガポールの観光についても助言をいただいた. 私の海外実習が,よい経験となったのは,CHEAH先生のおかげであるため,非常に感謝している.
シンガポールでの生活は,毎日が発見の連続で非常に楽しかった. 外食はフードコートのような,複数の店舗がテーブルを共有する場所が多く,そこで食後の食器をテーブルに残していく食事形式は,最初とても戸惑った. シンガポールは物価が高いと聞いていたが,食事は日本よりも安く,物価の高さを感じなかった. また,言語が多様で英語と中国語が同じくらい使われており,言語の使い分けにも戸惑った. 様々な困難があったが,それ以上に得るものが大きかった. 行かずに後悔することはあっても,行って後悔することはないと思うので,後輩たちにも挑戦を恐れずに経験してもらいたい.


 matsusaka