天体ガンマ線は地球大気と衝突を起こすため、直接地表には
降ってきません。そこで、比較的エネルギーの低いガンマ線は
人工衛星に搭載した検出器により大気外で観測が行われて
きました。一方、超高エネルギー(TeV = 1012eV領域)のガンマ線が大気中で起こすシャワー現象から
放出されるチェレンコフ光は地上まで到達するので、この光をとらえることにより
間接的にガンマ線の観測が可能になります。
しかし、地球に降り注ぐ宇宙線も同様にシャワーを起こしてチェレンコフ光を
放出するので、ガンマ線の信号はこの宇宙線の雑音に埋もれてしまいます。
1980年代の終わりにイメ−ジング法が発達してこの雑音を抑えることができる
ようになってから、TeV領域ガンマ線の大気チェレンコフ望遠鏡による地上観測が急速に進展しました。