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2006年度研究会報告

第16回(2006.10.7)第7回講演会

テーマ 「暴力と形而上学」を読む ─レヴィナスとデリダ─
報告者 合田 正人(明治大学文学部教授)
報告の要旨

合田正人氏の講演はフランス現代哲学を代表する哲学者エマニュエル・レヴィナスとジャック・デリダの批判的な思想の交流を明らかにするものであった。レヴィナスとデリダの生涯とその思想の根本的方向をたどった後、合田氏はデリダがレヴィナスの『全体性と無限』を批判した「暴力と形而上学」の詳細な解説を行った。 そこでのデリダの批判の骨子を、レヴィナスにおける暴力と非暴力の分割の振る舞いへの批判として取り出し、レヴィナスの哲学的言説の秘められた暴力性を指摘された。合田氏の講演は、暴力と非暴力の二者択一に抵抗して、非暴力の中の暴力に敏感でありながら、暴力のエコノミーの中で最小限の暴力を選択せざるをえない二重拘束的な哲学の言説の状況に自覚的であることによってレヴィナスの倫理を批判的に継承しようとするデリダの姿を描ききるものであった。 会場には多くのレヴィナス研究者も来場しており、活発な質疑応答がなされた。

加國尚志

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