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2006年度研究会報告

第18回(2006.11.17)第8回講演会

テーマ 「贈与と暴力」(Gabe und Gewalt)
報告者 ハンス・ライナー・ゼップ(プラハ現象学研究センター)
報告の要旨

ゼップ博士は、暴力を、「意味」に回収できない(それゆえ「意味づける」ことのできない)現象として、先意味的な次元で捉える可能性を示し、同時に、この次元における「生」の可能性を示した。 博士は、暴力現象が原初的に発生する場として身体を捉え、さらに身体を「意味身体」「方向づけ身体」、そして「限界身体」へと分析した。 この限界身体が、先意味的な次元に関わるのである。暴力は「意味」以前の次元で発生するので、それを「意味」づけるような倫理は「遅すぎる」。 しかし、限界身体は、この次元を(いわば間接的に)「指し示して」いる。 そして、この次元には、暴力の可能性とともに、生の贈与の可能性が隠されている。 この講演は、暴力現象をその最深の次元にまで追って思索しようとするものであった。討議においても、多くの議論がなされた。

谷徹

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