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2006年度研究会報告

第20回(2007.2.13)第10回講演会

テーマ ライプニッツにおける三重の自由の問題
報告者 ハンス・ポーザー(ベルリン工科大学)
報告の要旨

ポーザー氏の講演は、ライプニッツにおける自由の問題を必然性と偶然性をめぐる様相の問題から分析し、ライプニッツにおける神の最善の選択がいかなる意味で自由を排除することのないものであるかを明らかにするものであった。 誤謬可能性や共可能性によって制限された人間の自由は、神の絶対的な自由と対立するように見えるが、ライプニッツにおいては諸可能世界における人間の選択と一つの世界における必然的法則との対が設定されることにより「理由の領域」と「原因の領域」が区別され、人間の自由が救い出されるのである。 その意味で人間における本能と理性も、単に対立させられるのではなく、本能と行動の直接的な連結に理性が介在することによって、理性的な決定の余地が残されているのであって、ここに形而上学を基礎とした倫理の可能性が開かれているのである。 講演終了後、ライプニッツ哲学について専門的な質問も出され、ポーザー氏が誠実に応答していた姿が深い感銘と印象を残した。

加國尚志

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