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2006年度研究会報告

第21回(2007.3.10)第11回講演会

テーマ 暴力と音楽:音楽の「暴力性」、音楽が暴力を触発、暴力に触発された音楽、暴力としての音楽
報告者 三井 徹(金沢大学名誉教授)
報告の要旨

三井徹氏の講演は、音楽のはらむ暴力性を、神話の時代から現代に至るまで多面的に捉えて分析したものであった。「音楽が暴力を触発」するものとして特に音楽の快楽性が暴力として働く点が取り上げられ、セイレーンの歌から軍歌まで幅広く例が紹介された。「暴力に触発された音楽」に関しては、暴力が直接的刺激となって発生した音楽と暴力的な環境に創造を促されて発生した音楽があることが述べられた。「暴力としての音楽」という意外な視点からは、大音量の音楽や異文化(世代間の文化的差異も含む)の音楽が不快である以上に暴力として作用することが指摘された。

この講演では、音源を再生しながらそれぞれの分析や事例の紹介がなされ、過去約40年間の「暴力と音楽」に関する研究動向についても報告があった。海外と国内の研究を渉猟した報告は、まことに有意義だった。当日は、研究会のメンバーを初めポピュラー音楽学会の会員、アメリカ文学・文化の研究者、音楽愛好家なども来場し、多方面から活発な質疑応答があった。

ウェルズ恵子

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