テーマに掲げた「臥以遊之」は、中国の4世紀末から5世紀前半頃の画家であった宗炳(そうへい)の著述「画山水序」にみられる言葉です。自ら描いた山水画に対して、臥したまま、つまり、居ながらにして、実際の山水の中をたずね歩くかのように楽しむという態度を語ったもので、臥遊(がゆう)とも称されます。1月の土曜講座を通じて、山水画をはじめ、中国の様々な芸術文化の世界を、ご堪能いただければと思います。
その第1回目となる当回では、漢~唐の時代、すなわち紀元前3世紀終わりから、紀元後10世紀初めにかけての美術を取り上げます。この時期の作例では、天の世界および山岳の表現が、墓葬美術や仏教美術において豊富に残されているのですが、それらはどのような意味を持ち、当時の信仰とどのように関わっていたのでしょうか?その豊かな色彩感覚や、勢いある線の描写などを、スクリーンや図面などで確認いただきつつ、皆さんと一緒に探っていきたいと思います。
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