活動報告

2025/06/26

2025年度春学期第2回講演会 参加学生のふりかえり


講演のなかで最も印象的だった話題と、なぜその話題を選択したのかについての理由

 

⚫︎後継者の責任のお話の中で、アンチ親父の意識は時代に合わせた企業変革に必要な要素だが、社内での友好的な姿勢を崩してはならないという言葉があり、それが印象に残りました。事業継承において、先代の方針を全て引き継ぐのではなく、自身のビジョンを持ち、変革していく姿勢はとても重要だと思いました。時代が大きく変わる中で、従来のやり方だけでは生き残れない場面もあると思います。その一方で、現場や社員との信頼関係を壊してしまえば、改革の推進力は失われてしまいます。改革の意志と社内への配慮を両立させる姿勢が後継者に求められる姿勢だなと思いました。

 


⚫︎事業承継のパターンとして、親族と親族以外の2つにおおまかに分けるとそれぞれでメリットとデメリットが生じるという話が私の中で特に印象に残っています。親族に承継させるパターンのメリットの中で、利害の対立が起こりにくいとの話が挙げられていて、私は今後の企業の方向性に対する利害の話かと予想していましたが、承継する際の財産の配分の話であることを知り、その考え方は無くて驚きました。私にはその視点が無かったので親族で事業承継を行った人ならではの視点だと感じ、印象に残っています。


 

⚫︎中小企業の価値についてが最も印象的でした。

大企業と比べて意思決定のスピードが早く、小回りがきくことなどは前からなんとなく知識として知ってはいました。しかし、大企業を経由しないことで低コストに抑えられたりすること、また災害時にはお金のことは気にせずに自分たちの地域のサポートができることなど、中小企業にしかない良さを知ることができたので印象に残っています。地域に根ざした長期的視点をもって働くことができる中小企業により魅力を感じました。

 


⚫︎今回の講義で私が最も印象に残ったのは、親族内、特に親子間での事業継承の良さについてのお話です。私の実家も自営業を営んでおり、祖父から父へと事業が受け継がれた経緯があるため、まさに自分ごとのように感じながら話を聞くことができました。親子という関係性だからこそ、信頼関係や絆が深く、意思疎通が取りやすいという点は、事業継承において大きなメリットだと思います。また、金銭面の調整もしやすく、継承の準備期間も長く取れるという点は、円滑な引き継ぎを進めるうえで非常に重要だと実感しました。

一方で、家族内であるがゆえの甘えや遠慮が障壁になることもある、という視点も持っておく必要があると感じました。今回の講義を通じて、実家の経営を改めて考えるきっかけになり、今後の自分のキャリアにも何らかの形で関わってくるかもしれないと感じました。

 

 

⚫︎講演の中で最も印象的だったのは、事業承継が単なる世代交代ではなく、数十年先、さらには次の承継までを見据える「超長期的な経営責任」であるという田中社長の考えだ。これまでの認識では、事業承継は後継者へのバトンタッチという一時的なイベントと捉えがちでしたが、社長になった瞬間から次世代の承継準備を始めるという視点から、その責任の重さと継続性を強く認識した。また、父親との対立を乗り越え、長期的スパンで会社の未来を考えることで、個人的な感情が小さく感じられたという田中社長自身の具体的な経験談から経営者の覚悟と視野の広さを感じ、非常に説得力があった。

 


2025年度春学期第2回講演会 画像1


講演全体を通じてどのような学びがありましたか?

 

⚫︎今まで、MAや親族外継承が事業継承としてうまくいっている印象が強かったが、親族内継承のメリットを学び、印象が変わった。特に親子継承であると十分な準備期間や利害の対立の起きにくさ、企業改革のしやすさがあり、さらに事業継承後も社員からの信頼を獲得しやすくスムーズに第二次創業の進行ができると考えた。また、どの企業でも企業の価値観を引き継ぐという点は重要で、特に経営理念は企業経営を行う上での根本的な考え方かつ企業の願いを社会に繋げるものであるため、事業継承後もそれを実現していく必要があると考えた。

 


⚫︎中小企業の価値というのは、講義を通じて非常に大きな学びになりました。田中社長は、三菱重工と自分の会社や、建築会社の大手と、下請けなどの企業を例に出されていましたが、その中で大手というども中小企業がないと何もできないというのが、今までわかっていたようで、わかっていない点であり、衝撃的な捉え方でした。結局手数料が取られることや、部品ごとで見た時に、中小企業の良さ、特徴を学ぶことができました。また、辞めた人に対する社長の考え方も驚きました。言い方を悪くすると自分達から離れていった人に対してのアフターフォローや、声掛けというのが社長としてはもちろん人として素晴らしいと思いました。

 


⚫︎事業継承という部分で基礎的なことも話されていたが、それ以上に田中氏が経験したことや信念がよく理解できた講演会だった。田中氏が社長になるまで、そして現在までの経験を拝聴して、準備期間や引継ぎでの前社長との関係、その企業の属する社員達の考えや意思なども事業継承に大いに関係してくることを学んだ。また、後継者の責任として、価値観を明確に認識することとその価値観と経営理念をしっかりと融合させていくことも重要だとわかった。

 


⚫︎講演全体を通じて,事業承継の種類や,そのメリット・デメリットを学ぶことが出来ました。今まで,事業承継について学ぶ中で,ある程度の知識はあると感じていましたが,今回より詳しい話を聞くことが出来て大変有意義な学びを得ることが出来ました。その中でも,親子間承継のメリット・デメリット,親族外承継のデメリットを学びました。親子間承継のメリットには,充分な準備期間があること,利害が起こりにくいこと,先代との対立も起こりにくいことを学んだ。田中社長は親子間承継だったということで,12年間という充分な準備期間があったということや,時期が経つうちに親子間での対立も減ったというお話から,実体験を聞くことが出来たのでより深く理解することが出来ました。

 


⚫︎親族外継承におけるデメリットとして、経営者が自らの意向に従順な「イエスマン」を後継者として選ぶことにより、後継者の能力や資質が十分でない場合がある点が興味深かった。経営者の考えに異を唱えない人物を選ぶことで、短期的には円滑な引き継ぎができるかもしれないが、結果として多様な意見が排除され、企業としての柔軟性や革新性が損なわれる可能性がある。また、急激な時代の変化に対応できず、競争力を失うリスクもあると感じた。

 


⚫︎講義を聞くまでは、親族外承継の方が、能力のある人に任せることができるため、客観的に経営の判断ができて望ましいと考えていました。しかし、今回の講義を通じて、親族承継には、承継まで十分な時間があるため、企業文化などの継承がしやすく、利害も一致しやすいという強みがあることを学びました。今回の講義で、両者のメリット・デメリットを比較する中で、事業承継には絶対的な正解があるわけではなく、企業の状況や目的に応じた柔軟な判断が重要であると学ぶことができました。

 

 

⚫︎事業承継をうまく行えた要因を知ることができた。具体的に、会長が明確に第一線を退いたり、部下が新社長をしっかり社長として扱うなどの行為が事業承継がうまく行った理由だとわかった。親族内承継はスムーズにいくものだと思っていたが、親子ゆえの対立や意見の食い違いが起こるのなど、親族内承継にも難しさがあるということが理解できた。経営理念について熱く語っていたのが印象的だった。経営理念は一応建前として存在しているようなものだと思っていたが、田中社長の話を聞いて、経営理念は会社の軸となるものであり会社の戦略などの決定に大きな影響を及ぼすものだと理解することができた。後継者は自分の意見を突き通すだけではダメで、相手の意見も聞き入れながら友好的にしていくことがスムーズな事業承継を行うために必要だと学ぶことができた。

 

 

⚫︎自分自身の価値観をしっかり持ちながらも、今自分がどのように動くべきなのかを客観視しながら行動する力がすごく感じられました。自分の置かれた状況を理解しそれに合った動きをすることは簡単なことに聞こえて、実はとても難しいことだと思います。社員が安心して働ける環境を整えるため、社長就任から2.3年は会長に給与や評価を委ねたり、親子関係を友好的に築いて継承を円滑に進めたりと、周囲のことを客観的に捉えたうえでの行動に、その姿勢がよく表れていると感じました。私自身も、目の前のことにとらわれすぎず、物事を一歩引いて見る視点をもっと大切にしたいと思いました。