こんにちは!キャンパスアジア九期生のコウ シンと申します。
現在、京都で留学生活を送っています。日本での毎日は新しい体験にあふれており、期待と緊張が入り混じった日々を過ごしています。今回はその中でも特に忘れられない、心に深く刻まれた出来事を皆さんにご紹介したいと思います。
それは、5月のとある日朝のことでした。
私は市内中心地へ向かうため、市バスに乗りました。車内は混雑しており、高齢の方も多くいらっしゃったので、私は座らずに立つことにしました。若い自分が立っているのが自然だと感じたからです。
しっかり手すりを持ち、スマートフォンを確認していたその時、突然バスが急ブレーキをかけました。私は支えを失って前に倒れ込み、頭を手すりに、両膝を荷物置き場の角に強く打ちつけてしまいました。メガネは吹き飛び、頭にはズキンとした痛み。世界が一瞬、ぐるぐると回ったような感覚に襲われました。
あまりの衝撃と痛み、そして突然の出来事に、私はとても怖くて体が震えました。混乱の中、すぐに私に駆け寄ってくれたのは、三人の日本人女性と、後で知った中国人留学生の方でした。彼女たちは驚くほど優しく、私の様子を気遣いながら、何度も「大丈夫?」と声をかけてくださいました。
その中の一人の女性は、私の日本語が不安定でうまく気持ちを伝えられないのを察してくれて、英語でゆっくりと話しかけてくださいました。
「大丈夫?頭は痛い?救急車を呼んだ方がいいかもしれないね」――その言葉が、当時の私には本当に心強く、涙が出そうになるほど嬉しかったです。
私は「皆さん、ご自身の用事は大丈夫ですか?お仕事や予定があるでしょうに…」と何度も尋ねました。というのも、彼女たちはおそらく途中下車の予定があり、そのうちの一人は両手にたくさんの買い物袋や荷物を抱えていたのです。けれども誰一人、その場を離れようとはしませんでした。
「まずはあなたの体の方が大事。とにかく診てもらいましょう」と、彼女たちは私の不安と混乱をやわらげるように、最後までずっとそばにいてくれました。そして救急車が到着するまで、私を安心させるように寄り添ってくださったのです。
異国の地で、言葉も文化も異なる中で、まるで家族のように接してくださったこと、本当に本当に感謝しています。あのときの安心感、温かさ、そして優しさは、今でも思い出すだけで胸がいっぱいになります。
その後は、京都市交通局の職員の方々が寮を訪問してくださり、事故に関する面談や、保険手続きについて丁寧に説明してくださいました。お見舞いのお菓子まで持ってきてくださったことにも驚きましたし、心から感激しました。病院での診断書提出、保険会社との連絡、医療費の返金手続きなど、一連の対応を通じて、安心して回復に専念することができました。
今回の出来事を通じて、私はただ「痛かった」「怖かった」という体験だけでなく、「人の優しさ」「思いやり」「助け合い」の温かさを深く実感することができました。
中国人留学生として日本で生活する中で、これほどまでに多くの方々に支えられたこと――それは私にとって、生涯忘れられない大切な宝物になりました。 中日両国の言語や文化の違いを越えて、人と人とのつながりを確かに感じることができた、貴重な体験でした。
最後に、今回私を助けてくださったすべての方々に、心からの感謝を伝えたいです。
バスの中で声をかけてくれた日本のおばさま方、英語で励ましてくれた優しい女性、そっと支えてくれた中国の留学生の方、そして京都市交通局の皆さま――皆さんの存在が、私の不安や痛みをやわらげてくれました。
感謝の気持ちは言葉では言い尽くせません。
日本人であっても中国人であっても、皆さん本当に優しく、あたたかくて、思いやりにあふれた素敵な方々でした。こんなにも素晴らしい人たちに囲まれている自分は、なんて幸運なんだろうと、何度も思いました。
皆さんがこれからも健康で、幸せで、笑顔に満ちた日々を送れるよう、心から願っています。
本当にありがとうございました。