07.08


2013

雨が降る時

中国パイロット学生 曾文智(ソウブンチ)

雨が降る時

中国パイロット学生 曾文智(ソウブンチ)

事務局「広東外大(中国)のパイロット学生の曾文智さんが日本語の詩を書きました。
      表現力の豊かさを感じていただけると思います。」



                雨が降る時

                                    広東外大 曾文智

私は恋をした。
彼女は雨のように突然に来て、
また雨のように突然に去った。
そして私は目覚めた。

あなたは雨が降る時には、何をしているか?
パソコンで遊んで、そとの忙しい人たちを楽しく見ているのか?
こんな天気に家にいられるのがよかったと思っているのか?

私は雨の日が好き。
それ以上の喜びはない。

雨の音が好き。

シリシリの小雨。
こなのように空に舞う。

ファラファラの中雨。
終わることのないように空から降り注ぐ。

ようやく来たか大雨。
道が洗われるように私のこころも思いっきり洗われた。
雨の音を聞きながら。

雨の色が好き。

形のないものが透明な雫になって、
光の中にまた形のないものに戻った。

人はそれをできないだろう。
生まれる時には白い紙であっても、
死ぬときはどんな色があるのかもうわからなくなった。

雨の匂いが好き。

私だけではなく、
皆も雨の匂いが好き。
花、草、木、土、虫。

雨が降る時、目を閉じよう。
そして聞く。
それは、命の歌。

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