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2015.11.16

【EIZO DAYS】 06:地元ミニシアターの魅力を伝える実験的ドキュメンタリーを制作

EIZO DAYS

立命館大学映像学部にあるのは映像学科1つだけ。
だからこそ、さまざまな興味関心を持った学生が集います。
彼ら、彼女らは日々どんなことを考え、どんなことに取り組んでいるのか。
その一端を、学生さんのインタビューを通してお伝えします。


 地元ミニシアターの魅力を伝える実験的ドキュメンタリーを制作

【episode06】松本かれんさん2015年度4回生、ライオンズゼミ所属、兵庫県出身)


私は昔から音楽が好きで、映像学部にはミュージックビデオを作りたくて入りました。芸大への進学も選択肢にあったのですが、総合大学のなかの芸術系学部ということで特定分野に特化しすぎていない点が自分のなかで決め手になり、立命館大学映像学部への入学を決めました。

それまで制作経験がなかったので、入学当初は圧倒されていた部分もありました。しかし、1回生前期に取り組んだ「デジ作」(※)がすごく楽しくて。それがキッカケで、本腰を入れて「ものづくり」に取り組もうと思うようになり、2年間ほどは実写ゼミの先輩を手伝ったり、自主ゼミの「轟(とどろ)」に入ってみんなで映像を作っていました。

技術スタッフをやったり監督を務めたりと日々活動しているなかで転機が訪れたのは2回生の頃。アルバイト先に置いてあった映画のチラシを見て地元、神戸の元町映画館に足を運んだのがきっかけです。
ミニシアターという存在に、そのとき初めて出会いました。上映されていたのは「私はロランス」という作品だったのですが、この作品にはとても心を動かされました。監督が同年代と知って、こんな作品は私には作れないという思いを抱くと同時に、この作品をもっと広めたいと強く思いました。

その後、同作品を配給している会社に2ヶ月インターンシップに行くことがきたのですが、買い付けから上映までの手順をひと通り知ることができたのは本当によい経験でした。小さな会社で、ミニシアターに配給・宣伝を担当しているスタッフは10~15人くらいの規模だったのですが、そのぶん働いている方の仕事を間近で見ることができました。

この経験を経て、自身の関心は制作から宣伝・配給の方に重心が移っていきました。それでも、ビジネス系のゼミではなくライオンズゼミを選んだのは、音楽などの芸術に対する考え方に先生との共通点が多かったことと、やはり、「ものづくり」にじっくり取り組む時間がある学生時代に自分の作品を作り上げて卒業したいという思いがあったからです。

そこで卒業研究では元町映画館を拠点にして、そこに集う人と元町映画館という場所自体にフォーカスを当てて記録映像の撮影をしています。映画という媒体が1つ入るだけで、初対面の人たちが一気に仲良くなり、コミュニケーションを取ることができる。そんな場面と何回も遭遇して、私はすごくおもしろいと感じましたし、そうしたことが起こるミニシアターという場の、魅力を広く伝えられたらと思います。

※「デジ作」とはオリター団新入生の学生生活をサポートする先輩集団が主催・サポートし、映像学部1回生の小集団クラスにて映像制作、上映コンペをおこなう企画です。小集団クラスのグループ毎に、5月から約2ヶ月かけて、テーマにそった映像作品を制作します。


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