EIZO NEWS
2025.03.25
映像学部が「香港フィルマート」に単独出展!長編から短編まで4作品を世界の映像関係者にアピール!
3月17日(月)と18日(火)の2日間、香港で開催された「香港フィルマート」に参加しました。
「香港フィルマート」はアジア最大級の映像に関する見本市として知られ、今年も世界34の国と地域から映画・映像コンテンツに関する760もの大小様々なブースが出展されました。また、会期中には世界各国から映像業界関係者が訪れ、商談や交渉などに臨みました。
このような一大イベントに、立命館大学は日本で唯一の教育機関として2014年3月に出展を開始しました。これまで、「映画制作論」で制作した成果映画作品「嵐電の町、ひと模様」が、デルタ航空やルフトハンザ航空の機内上映プログラムにラインナップされましたが、これらは香港フィルマートでの商談がきっかけとなって実現しています。
また、本イベントは映像制作におけるビジネス的側面を間近に見る絶好のチャンスであることから、学生たちも参加しています。今年は映画制作を学ぶ鈴木佑典さん(3回生)と、クリエイティブビジネスを学ぶ岡田悠花さん(3回生)が香港フィルマートに参加。彼らが中心となって商談に臨みました。
初日の午後段階では、20社以上とさまざまな交渉を行い、最終的に中国・インド・ノルウェー・マレーシアなどの映画関係者と約61件もの交渉を行い、帰国後も引き続き交渉を行っています。
今回参加した、3回生の鈴木佑典さん、岡田悠花さんに参加した感想のインタビューを行いました!
鈴木佑典さん
参加して感じたことは、映画や企画を売る環境のシビアさです。
バイヤーは、単に映画を求めているのか、アニメを求めているのか、ホラーを求めているのかなどそれぞれに目的が異なっています。またフィルマート自体に広大なフロアが用いられているため、バイヤーには一つひとつをゆっくり見ている時間がありません。そのためバイヤーは関心がない企画に対して、1秒たりとも時間を割こうとしません。
この状況で、私はとにかく根気強く人を呼び込み続ける他ないと感じました。会話一つの状況に一喜一憂する時間はなく、試行回数を増やし、こちらが提供する内容と相手が望むものが一致するケースを探し続けました。
もう一つ感じたことは、ファーストインプレッションの重要さです。フィルマートにおいてはあらゆる国の名だたる企業と同じ条件で企画を売り込まなければなりませんでした。他の企業では大きなモニターや製品内容を伝える仕組みがあるブースに人が多く集まる傾向にありました。バイヤーが企画に関心を示すかどうかは、企画に出会う最初の数秒にかかっていと感じました。フレーズ、視覚的情報、企画の目新しさなど、あらゆる内容を工夫してバイヤーに認知されることが重要だという気づきが得られました。
岡田悠花さん
参加して感じたのは、ブースへの関心を引くための工夫次第で、来場者の反応が大きく変わるということです。ポスターの掲示方法、声の掛け方、チラシの見せ方など、限られた時間の中で何度も試行錯誤を重ねることで、徐々に興味を持ってもらえるようになりました。
最初はチラシを配るだけでも緊張し、うまく対応できませんでした。しかし、回数を重ねるうちにコツがつかめるようになり、少しずつ自信を持って配布できるようになりました。特に、自分が手渡したチラシをきっかけにブースを訪れてくれた瞬間は、小さな出来事ながら大きな達成感を覚えました。
また、休憩時間には他のブースを見学し、多くの学びを得ました。特に、日本のアニメーションには多くの関心が寄せられており、アジア各国のエンタメ業界が今後どのようなコンテンツに力を入れていこうとしているのかが可視化されていました。こうした市場の動向を肌で感じることができ、コンテンツビジネスを学ぶ上で非常に貴重な経験となりました。