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2019.05.07

卒業生原口航詩さんが語る「選択肢を狭めない」ことの重要性-最新映画『バースデーワンダーランド』制作についても伺いました!

2019年度がスタートし、「13期生」が入学してきた映像学部。
2011年に初めて卒業生を送り出し、彼らの活躍によって、各業界で「立命館大学映像学部出身」というフレーズを本当によく見かけるようになりました。また、学部にも卒業生からの報告が続々と寄せられていて、充光館で蒔いた種がいろんなところで花を咲かせていることを実感します。

映像学部では、今年度そんな卒業生の活躍をこのEIZO VOICEや学部SNS(facebooktwitter)にて積極的にご紹介しています!

今回は第6期生原口 航詩さん(ゲームゼミ出身)のご紹介です!彼もスタッフとして携わったアニメ映画「バースデーワンダーランド」が4月より全国で公開されています。ゲームゼミ出身の彼が現在、どのようにしてアニメーション会社で活躍しているのか、このあたりを最新映画情報と共にお届けします!

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映像学部を卒業後は、アニメーション企画・制作会社の株式会社シグナル・エムディに所属している原口 航詩さん。
 
映像学部在学時は、ゲームゼミに所属し、VR技術を利用したフライトシューティングゲームを制作。「VR元年」とも呼ばれた年に先端をいくコンテンツの開発をおこなったこの作品を卒業制作展である「立命館映像展」にて展示した際には、新聞社から取材を受けたほどのインパクトがありました。
 
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原口さんの卒業制作作品『AIR STRIKE』

そんなゲームゼミ出身の彼が進んだのがアニメーション制作会社。
 
元々入学前からアニメーション制作には興味がありました。しかしかといって自分自身それを将来進路にすることまではまだ決めきれていなかったので、選択肢は絞らず、3DCGや映像全体について学べる映像学部への進学を志望しました。

入学してみると、同じ趣味嗜好の人が周囲に多く、打ち解けやすい環境でした。自分で時間割を組む際は全15回の授業の内に1回でもアニメ関連の内容があれば受ける程にはアニメ好きでした(とあるサークルが以学館で「時をかける少女」を上映しているのを授業を抜け出して、観に行ったこともありました…)。

3回生の夏季休暇には教授の紹介でインターンシップに参加し、ここでやはり自分はアニメーション制作の道に進みたいという気持ちが完全に固まりましたが、とにかく学生のうちは幅広く学び経験しておこうという考えで、あえて今まで手を出していなかった『ゲーム』という分野に進みました」
 
この理由には驚きです!「進みたい分野に入るために、あえて違う分野を選んで視野を広げる」ーこれはできそうでなかなかできない選択ではないでしょうか。でも、実際にそれで本当にアニメーション制作会社に就職された原口さんが言うと説得力があります。
 
 
そんな原口さんが制作デスク業務担当として携わったアニメーション映画が今春公開されています!とにかく予告編を観ただけでワクワクする映画です!



原口さんはこの映画にどのようにかかわったのでしょうか。
 
「デスクは主に制作進行*を束ねる役職で、制作スケジュールや作業者の配置、予算内での各業務の金額設定など作品を通して行う制作現場をまとめる役です(*制作進行は作画さんと直接やり取りをし、その中でのスケジュール管理、成果物の管理を行います)。
 
今回の作品では作品を大きく6パートに分けて、パートごとに制作進行が立っております。デスクはその制作進行がスケジュールに乗せられているか問題点はないかなど逐一確認、補完していきます。また、その他の作画以外のセクションの監督、演出をはじめ色彩や美術、撮影ともスケジュールや数字の相談を行います。
 
6パートに加えてエンディングパートがあり、デスク業務に加えてそのエンディングパートの制作進行業務も担当していました。 制作進行やデスクは絵を描くなど直接手を加える役職ではありませんが、いつ誰に(どこのスタジオに)にどのようにお願いするかで最終的な画面に大きく影響するのでとても面白い仕事です!
 
スケジュール内でどのように作業を回せば一番クオリティを上げられるかが腕の見せ所だと思います。
 
是非、劇場でご覧ください!!」
 
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原口さん

アニメーション制作会社=「絵を描く人」と思いがちですが、原口さんの職種のように全体を見渡してものづくりの現場を的確に動かしていくという人もその重要な構成員となります。映像学部のように、ものづくりの工程を一定知識やスキルとして体得しながらも、コンテンツを市場に流通させるところまでの全体のプロセスを理解できる力を養える環境は唯一無二の存在です。
 
原口さんも、在学時に実写・CG・ゲーム・VRと様々な分野の映像技術を身に付けたこと、そしてそれを世に出す「発信」のノウハウも学んだことは今の仕事にかなり活きていると言います。
 
最後に映像学部の後輩にメッセージをお願いしました。
 
「個人的には映像学部特有の幅広く学べる環境を活かして、めざす分野問わず少しでも興味のあることはとにかく手を出すことだと思います。特にプロデューサー職はその経験のほとんどが後々の仕事に活きてくるはずです。

というのも人と接する機会が多いので、話のタネであったり引き出しが多いと日常会話から相談事など色んなコミュニケーションの場を円滑に進められます。特に映画の話はアニメ業界問わず、映像業界全体で弾むと思います!
 
また、映像学部に入ったからには諦めずに入学当初からめざす業界に入ってほしい。『好き』という気持ちが力になると思います!」

 
なんという心強いメッセージ!どこをめざしたいのか、何を今すべきかを考える上で、選択肢を狭めず、広い視野で物事を捉えることの重要性を教えてもらいました。
皆さんも改めて将来について、また今すべきことについて彼の言葉も参考に考えてみてください!

原口さんありがとうございました!!
 
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