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2019.10.09
「情報を送る側の仕事」について、私が思うこと~CLSにて(株)電通プランナーが講演!~
CMを作ること?
キャッチコピーを考えること?
イベントを仕掛けること?
何やら東京オリンピックにも関わっているとか…?
表舞台に出てこない仕事だけど、どうやら私たちの生活のかなりの部分にかかわっていると言っても過言ではない仕事。そんな広告という仕事の中身や、求められる人材、そこで働く人のこだわりや思いについて、プロの広告マンに講演いただきました。講演の場は、映像学部キャリア形成科目「クリエイティブ・リーダーシップ・セミナー(CLS)」(2回生受講)です。
講師として登壇していただいたのは、(株)電通でプランナーとして活躍されている久下尋厚さん。立命館大学政策科学研究科のOBでもいらっしゃいます。CLSの登壇は2回目で、過去には映像学部イベント「ジャンキャリ」でも講演いただいたことがある映像学部とも非常にご縁のある頼もしい大先輩です。
「CMって、そもそもウザいですよね」
と笑いながら話す久下さん。(広告マンの久下さんには大変失礼ですが)YouTubeなどで動画を見た人なら、最初に出てくる動画広告にイラっとしたことが少なからずあるのではないでしょうか。
今この情報が溢れかえる社会で、クライアントのメッセージをターゲットである消費者に伝えるために、広告業界を含めマスコミは時間の取り合いをし、人々の少しの隙間の時間でもそこに行動を起こしてもらえるきっかけがあるのではないかと、日々たゆまぬ努力をされています。
「ウザい」と思っていたはずの広告で、その商品のことを知り、何だか気になって、いつの間にかその商品を手に取っていた…これも広告のなせる仕事の結果の一つです。
情報をただ「伝える」だけではなく、「伝わる」ように仕掛けていく。そのためには、情報を受け取った側の世の中の生活者の視点を常にもち、同じように不便・喜び・感動・不満あらゆる「違和感」を感じ取りながら、その気持ちがどんな仕掛けによって共感・発見に結び付き、行動につながるかを考えることが広告の「企画」であると久下さんは言います。情報の受け手としての違和感を忘れないために、久下さんはこの業界に入ってからずっと、その日自分の心が動いたことについて、「何故そのことが自分の心を動かしたのか」ということを言葉にして、手帳に書き留めているそうです
この講演では、「企業がこういう人材を求めている」というデータや、ハウツーや、マニュアルめいたことではなく、この業界で自身が仕事をしていく中で実感した本質的に大切だと感じたことを、具体例も交えて独自の表現方法で語っていただきました。だからその言葉一つ一つには魂が宿っていて、受講生の表情を見ていても、それがすごく伝わっていることがわかりました。
こういった仕事を実現するために、必要なこととして5つのやってみることが挙げられました。
必要な5つのポイント
最後に、質疑応答があり、一人の学生がした質問がとても印象に残りました。
「自分は作品を制作するのですが、作っても作ってもなかなか自分に自信が持てません。久下さんはどうやって自信をつけたのでしょうか」
これには意外な答えが返ってきました。
「すべての編集作業が終わって、ボロボロになりながら編集室から出てくるとき、『よっしゃーっ!!これはイケる!!』と思ったことは、実は僕今まで一度もないんです。作品は世の中に出て、人に見てもらってどんな反応が返ってくるかでその評価が決まる。他人の目に晒して、そこでたくさんの意見や批評をもらい、それをまた次の仕事につなげていくことの繰り返しなのです。だから(批評を恐れず)どんどん晒してほしいと思います」
久下さん、ありがとうございました!!