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G-ALPs企画「国際キャリア企画講演会」が開催されました
10月21日(木)14時40分より、G-ALPs(Global and Active Learning Programs)の一環として、「国際キャリア企画講演会」が開催されました。コロナ禍のなかで留学や国際的な経験を積むことが難しい中で、計260名の聴衆が参加してくださいました。
この企画では、10年前に一回生だった2011年入学の経済学部卒業生のお二人(森下氏、中尾氏)をお招きし、学生時代の経験、そしてその経験が就職先の企業と駐在先でのキャリアにどのように繋がったかについて、ご講演頂きました。お二人はそれぞれ、「航空業界」「精密機械メーカー」でいずれも日本を代表する企業から、オーストラリアとアメリカに駐在員として派遣されています。お二人の会社はともにグローバルな企業ですが、海外駐在員は全社員の3%で狭き門であるそうです。そして英語は喋れて当たり前なので、単純な英語力は選別基準にならないようです。そうした中で、学生時代にビジネスパーソンになった時には海外駐在をしたいという軸で就職活動をされていたお二人が、就職後にどのような努力をして駐在を勝ち取り、今何を考えているか、というゴールと考えがちな就職活動の先に待っている世界を共有してくださいました。
お二人とも、パワーポイントのスライドを用い、丁寧なお話しぶりで進行してくださいました。まず、簡単な経歴の提示の後、大学時代の生活と、新卒での仕事、そして駐在先での現在のお仕事を詳細に紹介してくださいました。
お二人の話に共通していたテーマは、(1)キャリアは自分で切り開くもの、(2)自己分析をやり続けることが重要であること、(3)評価軸は多様であること、でした。
本講演のテーマは、キャリアとは何かという本質に接近するものでした。学生時代に国際寮で頑張った事、国際的なサークルでリーダーを頑張った事が、グローバルな活動が可能な企業に道を開きました。そして、駐在員として選ばれることになった要因は、以下の二点であったようです。(1)英語力だけではなく、常に行きたいと周辺にPRし続けたこと。(2)その上で、海外で逃げずにやり切る力があることを普段の業務でもしっかりと見せることで、周辺から信用をしっかりと得たこと。このようにキャリアは自分の行動の先に繋がっているものであり、今目の前で何ができるか、将来何ができるようになっていたいかを考えることが大事であるというお話をいただきました。
このことは、自己分析をやりつづけることが大切であるというお話に繋がります。日本社会は、就職活動ではじめて自分が何者であるのかを問われますが、早い段階からどのように学生生活を送るかを考えるづけることが大事だと語られました。同時に、考えるにあたって分析する力を高めることが重要であり、大学では分析力を必ず身に付けてほしいというメッセージが伝えられました。お二人は就職活動が終わった後にむしろ自分自身が社会にどのように関わっていくのかを巡って深い自己分析を続けているとおっしゃいました。
そして、大学入学までは評価軸はテストの成績がメインだったが、大学での論文執筆や就職活動から先は多様な評価軸が存在していることを教えてくださいました。そのため、自分がいま行っている行動が、自分が評価して欲しい対象から評価されるものなのかどうかをしっかりと考えておくことが重要であるという目から鱗が落ちるお話もしていただけました。自分の能力を評価してもらえる正しい場所に自分を置くために考え抜くことが大事であるというメッセージは、非常に力強いメッセージでした。
自己分析によって考えられた連続性を持った行動を、評価される場でプレゼンすることで、初めて自分に納得できるキャリアになるというお話は、まさにキャリアとは何か?を考える時に重要な視点だと多くの聴衆が腑に落ちたようでした。
オンラインでの公演にも関わらずチャットでの質問も14問続き、お二人は本音で回答してくださいました。中締め後はより詳細な話を聞きたい少数の人とブレイクアウトルームでお話をされ、より深い納得感をえた学生さんとともに講演を終えました。
アンケートでは、「海外駐在に興味があったので無茶苦茶メモを取った」「海外に留学するとか駐在とかには興味はなかったし、今もないけど、キャリアというものをどう切り開けばいいかとても深い理解ができた」など多くのコメントをいただきました。この講演会で得ることができた気づきの多さを物語っています。
本ホームページのTOPICS & EVENTSでは、引き続き多様なG-ALPs企画について紹介いたしますので、ぜひご覧ください。