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01.20

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2025

笹尾ゼミの2回生がプラスチックの資源循環ビジネスを行う企業を見学しました!

 環境経済学・笹尾ゼミに所属する2回生の学生が、2025115日に滋賀県栗東市にあるプラスチックの資源循環ビジネスに取り組む企業、株式会社パンテック(https://www.pantechco.jp/ja-jp/のサーキュラーデザインセンター(CDC)を訪問しました。当日は、同社サーキュラーエコノミー推進部の方から、資源循環に関する世界経済の潮流やプラスチックリサイクルの流れ、国内外のプラスチックの資源循環ビジネスをめぐる状況などについて、ご説明いただきました。そして、再生されたプラスチックの原料や品質検査の工程を現場で見せていただきながら、お話を伺いました。
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 世界全体で廃棄されたプラスチックのうちリサイクルされているのは15%程で、ほとんどがまだ焼却や埋め立て、そして不法投棄されています(OECD2022)。一方、国内では87%が有効利用されているとされますが、その多くはプラスチックを燃やして得られる熱エネルギーの利用です(プラスチック循環利用協会2024)。日本ではこうした熱回収も「サーマルリサイクル」と呼び、リサイクルの一種と位置付けていますが、国際的にはこれはリサイクルとはみなされません。なぜなら、プラスチックを燃やす過程で二酸化炭素が排出され、しかも1回限りの再生利用で終わってしまうからです。
 今回訪問したパンテックでは、プラスチックを資源として再び利用することで、ごみを減らす「環プラ」をキーワードに、マテリアル(材料)リサイクルを推進し、戦略立案から社会実装までを行っています。マテリアルリサイクルとは、廃プラスチックを再加工し、新たなプラスチック製品を作るリサイクルのことで、一般に環境負荷がより少ないリサイクルとされています。
 同社従業員の皆様にはプラスチックの種類や再生プラスチックの品質検査の工程・方法等について非常にわかりやすく説明していただきました。また多くの質問に対して丁寧に回答してくださり、プラスチックリサイクルへの理解が深まりました。

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 以下は見学に参加した学生の感想の一部です

 【学生の感想1】プラスチックを再生利用する過程では多くの段階を踏まなければならないということが印象に残った。再生原料加工をするだけでもリサイクラーとコンパウンダーの二段階を通過する必要があり、排出企業から再生原料ユーザーまでに複雑な工程が必要になると分かった。複雑な過程になることでそれぞれの組織が情報共有できず、再生利用の流れ全体としての最適策が失われやすい。この問題を解決するため、商流全体を分析し、情報共有や管理ができる企業が必要になってくるのだと感じた。(2回生R.Tさん)

 【学生の感想2】見学を通して、不要になったプラスチックを資源に変えて循環させることの大切さに改めて気づくことができた。プラスチックをリサイクルして新たな製品に生まれ変わらせることは、廃棄物の削減や資源の節約が可能となり、環境への負担を軽減することができると感じた。今後の研究で、プラスチックによる海洋汚染を悪化させない方法や解決していく方法を考えていこうと思う。(2回生A.Mさん)
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【引用文献】

OECD(2022), Global Plastics Outlook ECONOMIC DRIVERS, ENVIRONMENTAL IMPACTS AND POLICY OPTIONS, https://www.oecd.org/en/publications/global-plastics-outlook_de747aef-en.html
プラスチック循環利用協会2024,プラスチックリサイクルの基礎知識2024,https://www.pwmi.or.jp/column/column-2534/

 

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