みなさまからのメッセージ

ご支援者インタビュー

立命館学園は、校友(卒業生)、企業、父母はじめ多方面の方々からご支援を得て運営しています。このページでは、学園の教育・研究充実のために、ご支援くださっている方々をご紹介します。

第12回


田村 哲也(たむら てつや) 氏

田村 哲也(たむら てつや)

1976年 文学部卒業  元 福岡県職員
第12回は、田村 哲也様にお話を伺ってきました。

立命館入学にまつわるエピソード

Q:立命館への進学を目指された理由やきっかけなどを教えてください。

田村(敬称略) 名誉総長である末川博先生が、私の母校である山口県立岩国高校の前身「旧制岩国中学」出身というご縁で、何度か高校に講演にいらっしゃったことがあったそうです。担任の先生から「末川先生のお話が素晴らしく、生徒の胸に響いたため立命館大学への志願者がものすごく増えたことがある」との話を聞きました。「学生の心を掴む、すごい先生がいる」と知り、立命館に興味を持ちました。

学生生活にまつわるエピソード

Q:立命館で印象に残っていることを教えてください。

田村 一番驚いたことは、最初の講義の際、教授から「私は学生の顔を見ないようにしていま す。顔を見ると腹が立ってくるからです」と言われたことです(笑)。私をはじめ学生一同、唖然としました。しかし、そこは心理学専攻の学生ですから、「こ の人は相当な心理的負担を抱えているようだ」と興味すら覚えました。
学生紛争の余燼が燻っていた頃でしたので、先輩方はその影響ではないかと話していました。当時、ある大学ではまだ校門にバリケードが築かれていましたから、大変な時代でした。


専攻のオリエンテーション時に、広小路有心館前にて撮影(1972年4月)


Q:「立命館ならでは」と思うことを教えてください。

田村 立命館大学は当時から全国型の大学で、北海道から沖縄まで、各地域から様々な学生が集まっていました。同級生の中には、父親が京都大学教授の学生、他大学か ら転入してきた学生、国公立大学を蹴って入学してきた学生、仕送りなしで生活している学生、アメリカで生活した経験のある学生……色々な学生がいました。 そういえば、「京都産業大学で福田恆存さんの講義があるから、一緒に来てくれ!」と懇願してきた友人もいました(笑)。小集団教育をきっかけに多様な友人 たちと交わり、刺激を受けたことが人間としての幅を広げるきっかけになったように思います。

 小学校から数えて16年間の学校生活を振り返っても、立命館大学での時間がもっとも充実していたと感じます。よく勉強し、議論も重ねました。先輩や同輩、後輩にも恵まれ、人間的に充実した触れ合いを経験できたことは私の宝とも言えます。


広小路心理学実験室にて撮影(1975年秋ごろ)

ご卒業後のエピソード

Q:お仕事について、簡単に教えてください。

田村 大学を卒業した昭和51年に福岡県職員に採用され、38年間勤めました。経験した仕事は、ケースワーカー・徴税吏員・児童指導員・消防学校教官・県立大学職員・河川港湾管理など様々です。こうした多くの職種をこなせたのも、立命館大学で過ごしたおかげかもしれません。

 実は、元々小説家を志望していました。今年3月に退職したため、「何か書いてみたいな」と夢見ています。
 これからは、校友会活動にも参加できればいいなと思っています。このインタビューをきっかけに、かつての仲間たちと交流が復活できれば本望です。


Q:立命館とのつながりを感じる瞬間はありますか?

田村 テレビや新聞で「立命館」の名前を見聞きすると嬉しいものです。特に、大学女子駅伝での後輩の頑張りにはいつも感動しています。
 また、県立大学で働いていた時代もありますので、大学政策にも関心を持っています。立命館は、やることがダイナミックで「とても県立大学には真似できないなぁ……」とよく考えていました。

ご支援にかける想い

Q:「BOOKS FOR BOOKS~立命館の本活~」にご支援くださった「きっかけ」を教えてください。

田村 以前から、家にある書籍の有効利用を考えていました。「寄付できればいいな」と思い、インターネットで検索しました。京都大学で集めていることを知りましたが、「寄付をするなら、やはり母校に貢献したい」と思って探してみたところ、「BOOKS FOR BOOKS~立命館の本活~」のページにたどり着いたというわけです。
 ページを見つけてから、すぐに申し込みました。Webで必要事項を入力すれば、次の日にはもう本を取りに来てもらえたのでとても簡単でした。少しかもしれませんが、母校に貢献できたことを嬉しく思います。

Q:「BOOKS FOR BOOKS~立命館の本活~」にご支援くださった「想い」を教えてください。

田村 近年、学生の思考力が衰退しているのは、活字離れやインターネットを利用した安易なコピー&ペーストが起因しているように思います。学生時代に「しっかり読書して思索する」という習慣を身につけることが人間を成長させるために大切なことだと思います。本や勉強によって身についた知識は我流を矯めてくれると考えています。「大学の図書がもっと充実してほしい」との想いで寄付させていただいています。

Q:今の立命館や学生(後輩たち)にメッセージをお願いします。

田村 読書し、思索し、多くの人と建設的な議論をし、主体性を確立して周囲に流されず、「知識」と「論理」で事をさばける人になってください。


(掲載日:2014年5月2日)

田村 哲也(たむら てつや)様のインタビューを終えて

本が好きで、ご自身も「書き手になりたい」という夢を今でも持っておられる田村様。
本との出会いは新しい知識との出会いであるとともに、本の向こう側にいる著者や同じ本を読んでいる人などとの出会いをもたらしてくれます。今回の「BOOKS FOR BOOKS~立命館の本活~」への寄付を通じて、田村様と学生がつながる契機になれば嬉しいです。