みなさまからのメッセージ

ご支援者インタビュー

立命館学園は、校友(卒業生)、企業、父母はじめ多方面の方々からご支援を得て運営しています。このページでは、学園の教育・研究充実のために、ご支援くださっている方々をご紹介します。

第16回


大西 博(おおにし ひろし) 氏

大西 博(おおにし ひろし)

1978年 理工学部卒業  株式会社 建設技術研究所 大阪本社 技師長
第16回は、大西 博さんにお話を伺いました。

立命館入学にまつわるエピソード   

Q:立命館への進学を目指された理由やきっかけなどを教えてください。

大西(敬称略) 私は、兵庫県の小さな村で生まれ育ちました。電車も通っていない田舎でしたので、小さい頃から「電車が通り、みんなが機能的に一つの住宅に集まって住む近未来の街の姿」を夢見ていたこともあり、大学進学時には土木工学を学びたいと思いました。土木工学科のある関西の各大学を受けましたが、京都の下宿生活に対するあこがれと、学費の関係から立命館大学に進学を決めました。

 

学生生活にまつわるエピソード 

Q:学生生活の様子や印象に残っていることなどを教えてください。

大西 1~2回生の時は、河原町丸太町にある三畳ほどの小さな下宿屋で生活しました。京大や府立大、立命館大、同志社大、関西大、浪人など多様な顔ぶれで、学業より、社寺仏閣・庭園、何より人づきあいの勉強をしたように思います。
3~4回生の時は、衣笠キャンパスに近い、鳴滝の普通のお宅の二階部屋に移りました。食事も付いていて大学にもしっかり行くようになりました。今思えば、大学を無事に卒業できたのはこの生活環境のお蔭だったかもしれません。
また、西京極球場の立同戦や円山公園での前夜祭などで思いっきり唄った校歌と応援歌は、勝敗に関わらず、気分がスッキリした記憶が強く残っています。
あとは、講義の合間の麻雀でいつも一緒だった友人や、卒業旅行に行ったクラスの仲間は無論のこと、卒業研究で同じグループだったメンバーが学生生活の何よりの財産です。土木工学科衛生工学の卒業研究室では、数名のグループ毎に長期にわたるフィールドワークや地域住民へのアンケート調査などを行っていました。それらの結果をもとに、みなで徹底的に分析したり、徹夜で論文を作成したりするなど非常にハードな研究活動でしたが、おかげでそれらのメンバーと経験は今でも私の心の強い支えになっています。

ご卒業後のエピソード 

Q:これまでのご経歴および現在のお仕事について、簡単に教えてください。

大西 卒業後、建設省(現在の国土交通省)に入り、主に道路計画担当で36年間過ごし、2013年3月に退官しました。異動回数は、本省での勤務も含め合計で20回を数えます。仕事で特に印象に残っているのは、本省時代の国会答弁の作成や東京湾横断道路株式会社法案の資料作成、現場での新名神高速道路の環境影響評価と地元への説明、明石海峡大橋関連道路の地元調整と目標通りの開通などです。
新名神高速道路はちょうどBKCの傍を通っていますが、計画当時、私は担当係長で、滋賀県の担当者も大学の先輩でした。キャンパス誘致に関連したデータを提供した覚えがありますが、母校や先輩とそのようなかたちでつながることに不思議な縁を感じました。
現在は、縁があって建設技術研究所(建設コンサルタント会社)でお世話になっています。これまでの行政経験や技術の経験が活かせる環境が楽しく、毎日が充実しています。

 

Q:現在は建立会(注1)会長(建設会副会長も兼職)をお務めですが、卒業後の大学とのつながりについてお教えください。

大西 就職後、先輩の強制的なお誘いで(笑)「建立会」の総会に行ったのが最初です。近畿地方整備局の中にあるOB会の事務局担当時には建立会の幹事会にも参加していました。そんな経緯があり、現在、建設会会長である中尾さんから建立会会長を引き継ぎ、現在に至っています。

(注1) 建立会(こんりゅうかい)…理工学部土木工学系の同窓会組織である「建設会」の大阪支部のこと

同窓会で挨拶する大西様(2014年6月)

 

Q:建立会(建設会大阪支部)における活動の様子についてお教えください。

大西 毎年1月に開催する年次総会がメインの活動です。また、建設会の各支部の総会にお邪魔して、支部間の交流もしています。建立会では官公庁・建設コンサルタント・ゼネコンなど業種ごとに副会長や幹事がいて、総会の準備を目的に幹事会を定期的に開催しています。この幹事会の後に開く交流会(飲み会)が何より楽しみです。
なお、建立会会長(建設会副会長)と大阪校友会の副会長は兼職となっているので、大阪校友会の幹事会や総会に参加するとともに、立命寄席(注2)やリツクル(注3)、アメリカンフットボール観戦などのイベントにも参加しています。

(注2) 立命寄席…大阪の天満天神繁盛亭において、毎年4月に校友会主催で開催される寄席の名称
(注3) リツクル…リッツ・クルージングの略で、大阪を流れる大川の観光遊覧船を貸し切り、帝国ホテル大阪のランチを食べなら優雅なひと時を楽しみ、交流を深めようという大阪校友会主催の企画


Q:その他に立命館とのつながりを感じる機会があればお教えください。

大西 義兄と実弟も立命館大学の卒業生です。常に母校への誇りはありました。
また、近畿地方整備局の立命館大学出身の先輩や後輩は、優秀・勤勉で誠実な方が多く、未だに信頼感と連帯感を強く感じています。
現在の職場でも、「私も立命館卒業です」と皆さん温かく声をかけてくださいましたし、立命館出身者のOBの飲み会にも誘っていただきました。日常的に話をするわけではありませんが、やはり心強いものです。

ご支援にかける想い

Q:立命館にご支援くださった「きっかけ」を教えてください。

大西 「理工学部BKC移転20周年記念事業」の寄付が始まり、建立会会長という立場にある以上、「まず自分がしなければ」という思いがありました。ただそれ以上に、退職をして人生に一区切りがついたタイミングであり、「お世話になった母校に何かしたい」という気持ちが自然と湧いてきたことが一番のきっかけですね。

Q:ご自身がご寄付されるだけではなく、ご寄付を集めることにもご尽力いただいています。

大西 建設会全体としては中尾会長が陣頭指揮をとられ、個人や企業への依頼を重ねてきました。なかなか思うように実績が積み重ならない中、何度も会議を開催して議論を深め、お願いしたい企業や個人をリスト化するなどしながら、1件ずつ丁寧な依頼を行ってきました。
私自身は「どのように依頼の言葉をかければよいか?」に悩みましたが、ある時に「ぜひ協力してもらえないだろうか」と素直にお願いすればよいことに気づきました。
お声がけをした企業や個人の方からはご寄付をいただくだけではなく、「今の自分のルーツは立命館を卒業したことにあると最近になって思う。まだ大学へお礼ができていないのでこの機に協力したい」といった温かい言葉を多くもらうことができ、喜びと感謝でいっぱいになりました。
また同窓の間でムードが高まり、色々な同窓会の「有志一同」による寄付が見られるのも心強いです。私自身も個人の寄付とは別に、同窓会での寄付に参加しました。


Q:今の立命館や学生(後輩たち)にメッセージをお願いします。

大西 ちょうど還暦を迎えた我々の世代(理工学部出身者)は「衣笠キャンパス」への郷愁がやはり強く、今年の同窓会は、幹事のアイデアにより衣笠キャンパスの末川記念会館で行いました。例年の同窓会のように昔懐かしい顔に会えただけではなく、学び・遊んだ「あの当時」の気持ちに返ることができました。これと同じように、これから環境都市系を卒業していく学生たちが、「ここが原点である」と感じる「びわこ・くさつキャンパス(BKC)」であってほしいと思います。

衣笠キャンパスを散策される大西様と同窓生の皆様

我々の時代とは違い、競争も厳しく、即戦力として多様なツールを駆使できる能力やコミュニケーション能力が求められる時代だと思います。後輩たちにはBKCの充実した施設・設備での研究活動とともに学外での体験も積み、広い視野と強靭な精神で、社会で活躍していける人材になっていただきたいと思います。それがそのまま、私たちOBの誇りとなります。


 

(掲載日:2014年9月5日)

大西 博(おおにし ひろし)様のインタビューを終えて