みなさまからのメッセージ

ご支援者インタビュー

立命館学園は、校友(卒業生)、企業、父母はじめ多方面の方々からご支援を得て運営しています。このページでは、学園の教育・研究充実のために、ご支援くださっている方々をご紹介します。

第17回


谷口 美波(たにぐち みなみ) 氏

谷口 美波(たにぐち みなみ)

2006年 産業社会学部 人間福祉学科 卒業  日華化学株式会社 化粧品部門 デミ コスメティクス 経営企画部
第17回は、谷口 美波さんにお話を伺いました。

立命館入学にまつわるエピソード  

Q:立命館への進学を目指された理由やきっかけなどを教えてください。

谷口(敬称略) 小さい頃から、自分がプレーヤーとして動くことよりも、他の人をサポートすることの方が好きでした。そのため、将来は誰かをサポートすることを通して社会に貢献したいと思っていました。そこで、今後の日本社会において、ますます需要が高まる社会福祉の分野について学び、将来の仕事に生かしたいと考えました。また、社会福祉を専攻しながら、それだけに限定することなく、他の分野も幅広く学びたいと考え、産業社会学部 人間福祉学科に進学することを決めました。

学生生活にまつわるエピソード 

Q:どのような学生生活を送られたか教えてください。

谷口 学生時代は、ふとしたきっかけで体育会男子バスケットボール部のマネージャー(主務)になったことから、衣笠キャンパスで授業を受け、びわこ・くさつキャンパス(以下、BKC)でクラブ活動をするという非常に多忙な学生生活を送っていました。毎日、シャトルバスや原付バイクでキャンパス間を移動し、合計で何往復したか分かりません。授業やクラブ活動に加え、アルバイトも複数掛け持ちしており、今になって考えると、どのように日々のスケジュールをこなしていたのか思い出せないくらいです。
「そんなに忙しいうえ活動場所が遠いクラブをどうして続けていられるの?」とよく聞かれましたが、そのように尋ねられるまで、自分ではその理由を考えたことがありませんでした。恐らく、マネージャーとして選手が練習しやすい環境をつくることを通じて、人の役に立てているという実感が得られ、やりがいを感じていたのだと思います。多忙なスケジュールのなかでも、友人ともよく遊び、ゼミ活動にも精を出し、大学卒業前には社会福祉士の国家試験にも合格することができました。まさにフルスロットルで駆け抜けた、満足度の高い4年間だったと思います。


男子バスケットボール部員の皆さん


Q:学生時代に「成長したと感じたこと」や「困難を乗り越えた経験」を教えてください。

谷口 国家試験合格のための勉強と実習が、大学4年間のなかで一番の山場であり、この経験を通して大きく成長できたと感じています。社会福祉士の国家試験を受験するためには、約1ヶ月間の現場実習を行う必要があります。私は地域福祉を学ぶため、同じゼミの学生6人で京都府舞鶴市に住みこみ、1ヶ月間の共同生活をしながら実習を受けました。日中の実習先はそれぞれ異なりますが、同じ下宿先で生活していたため、当番制で食事を作ったり、買い物に行ったり、その日の実習での出来事を共有し合ったりと、まるで家族のように暮らしました。実習中は、泣いて笑って、とにかく濃密な1ヶ月間だったため、この実習メンバーの友人たちとは、今でも毎年のように旅行に行ったり、京都で集まったりと親しくしています。


受験直前である4回生の冬頃は、授業もなくクラブも引退していたため、福井県の実家に戻り、アルバイトをしながら一人黙々と図書館で勉強していました。しかし、週に1回だけは試験対策講座を受けるために、福井から衣笠キャンパスへ通っていました。日々の試験勉強は非常に孤独な戦いでしたが、大学に行くとゼミの仲間たちが1つの教室に集まって自習していて、「自分は一人じゃない、がんばろう!」と励まされました。国家試験当日も、皆と試験会場が異なるため一人きりでしたが、メールを交換しながら気持ちを高め合ったのを覚えています。結果発表の日は、これまで支えあってきた仲間たちと合格の喜びをかみ締めることができました。無事に全てが終わった後、皆でグアムに卒業旅行に行って、思い切りはじけたことが良い思い出として残っています。

ご卒業後のエピソード 

Q:これまでのご経歴および現在のお仕事について教えてください。

谷口 私は地元・福井県がとても好きで、卒業後はUターンしたいと考えていました。また、福井県には技術力の高い中小企業が多数あります。そのような環境で、何か新しいものを創り出し、国内外に発信する仕事をしてみたいと考え、卒業後は福井県の化学メーカーに就職しました。入社早々、社長室に配属となり、会社のトップをサポートするという、まさに学生時代の経験を活かせる業務に就くことができました。約5年間は秘書業務を経験した後、化学品部門を経て、昨年から化粧品部門で商品企画やプロモーション業務を担当しています。企画・販売・顧客対応と、1つのブランドをトータルでマネジメントする仕事で、とてもやりがいを感じています。
卒業論文では、高齢者の化粧品利用における心理的作用や、高齢者向けの化粧品のあり方について調査しました。当時は、その後、就職して化粧品メーカーで働くことになるとは思ってもみませんでした。今になって振り返ってみると、大学時代の様々な経験や学びが、現職での仕事に生かされていると感じます。

Q:福井県校友会活動に参加されるようになった「きっかけ」や背景、想いなどについて教えてください。

谷口 社会人1年目の夏、「福井県校友会総会のお知らせ」という案内が自宅に届きました。何となく行ってみようと思い、いきなり飛び込んだのがきっかけです。いざ行ってみると、意外と同世代の方も多く参加しており、すぐに打ち解けることができました。学生時代は校友会の存在を全く知りませんでしたが、実は学生時代の下宿先が近所だった方や、共通の知り合いがいる方などとの出会いもあり、気の合う仲間がたくさんできました。社会人になってから親しく付き合える友人ができるとは思っていなかったため、このような場が与えられたことに感謝しています。

ご支援にかける想い  

Q:立命館にご支援くださった「きっかけ」を教えてください。

谷口 前述の通り、立命館大学での4年間を通じて、多くの先生方や友人たち、先輩・後輩に恵まれ、自分自身が大きく成長することができました。このような出会いと成長は、大学を卒業してからも福井県での校友会活動を通じて続いています。このことに対する感謝の気持ちから、立命館に少しでも恩返ししたいと考えるようになりました。私は立命館大学での4年間があったからこそ、今の仕事に就くことができたと思っています。だからこそ、現在、立命館大学に通っている学生たちにも、より充実した学生生活を送って欲しい、そんな願いを込めて、「校友会未来人財育成基金」に継続的な支援をさせていただいています。

Q:校友の方々に卒業後も立命館と繋がりを持ち続けてもらうには、どのようなことが必要だと思いますか?

谷口 その地域の規模によるかと思いますが、各地区の校友会等で気軽に参加できる「プチイベント」を催すのは効果的ではないかと思います。自分が行きたい時、都合がつく時だけでも、気軽に顔を出せるようなイベントが身近にあると、卒業後も大学と繋がりを持ちやすいのではないでしょうか。ちなみに、福井県校友会では、毎年、駅伝(立命館大学の女子陸上競技部も出場)の応援をしたり、飲み会があったりします。強制ではなく、なんとなく行きたいときに参加できる場所が職場以外にあることはとてもありがたいことだと思っています。


また、各都道府県の校友会以外の場でも、同窓生同士は自分たちで頻繁に集まっていると思います。私の所属していたゼミでも、毎年のように集まりがあり、全国各地から京都に集まってきています。産業社会学部校友会には、そのような同窓会グループの集まりに対する支援制度がありますが、卒業生たちにあまり知られていないように思います。このような制度があることをもっと積極的にアピールしていく必要があるのではないでしょうか。

  

        駅伝の応援をする福井県校友会の皆さん                                  ゼミ仲間との同窓会

Q:今の立命館や学生(後輩たち)にメッセージをお願いします。

谷口 卒業後、「学生時代に戻りたい」と思っても、絶対に戻ることはできません。一日一日を大切に、かけがえのない日々だと思い、授業や友人との時間、クラブ活動にとにかく明け暮れてください。そうすれば、社会人になってからも、しっかり前を向いて進んでいくことができると思います。学生時代は「チャージの期間」です。たっぷりエネルギーを蓄えて、社会人として力強く走り出してください。そして、先輩たちをどんどん追い抜いてほしいと思います。

(掲載日:2014年10月3日)

谷口 美波(たにぐち みなみ)様のインタビューを終えて