#Graduates
脇坂 純
2024年度卒
オリックス株式会社
Finance
2025/04/08
オリックスグループの幅広い事業領域と、多様な分野に挑戦できる環境に魅力を感じ、入社を決意しました。既存の専門性を活かしながらも新たな領域へ積極的に挑戦する同社の姿勢は、変化し続ける世の中で学びを深め、挑戦し続けたいという私の価値観と合致しています。
現在、航空事業グループに所属し、日本の投資家が世界中の航空会社の航空機に投資する支援業務に携わっています。主な業務としては、書類作成や進捗管理に加え、関係各所との調整を担当しています。具体的には、各関係者のカウンセルや、航空機管理を専門とするアイルランドのグループ会社と連携しながら、案件の円滑な進行をサポートしています。
GLAのデュアル・ディグリー・プログラムを通じて、多様な国際環境に身を置いた経験は、異なる視点を受け入れ、文化や価値観の違いを超えて効果的にコミュニケーションを図るスキルを大きく育みました。このスキルは、グローバルなチームとの協働や業務の円滑な遂行において不可欠なものとなっています。また、2つの大学での学びは、新たな挑戦を恐れず、自らの興味を探究し続ける姿勢を養い、その結果として現在のグローバルな業界でのキャリアに繋がっています。
立命館大学とオーストラリア国立大学(ANU)から4年間で2つの学位を取得することは、大きな挑戦であり、同時に非常に充実した経験でした。日本とオーストラリアという異なる学問的・文化的環境で学んだデュアル・ディグリー・プログラムは、私の知識や人間としての学びを深めるうえで非常に重要な役割を果たしました。中でもANUでの留学は私の視野を大きく広げてくれました。さまざまな分野で深い理解を持ち、豊富な知識をもとに鋭い意見を交わすANU生に刺激を受け、自分の興味を更に深く探究し、社会の様々な側面や出来事がどのように相互に関連しているのかをより深く理解したいと思うようになりました。
在学中には、新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵攻など、世界的な出来事が次々と起こり、危機がいかに社会の脆弱性を悪化させ、政治・経済・社会に連鎖的な影響をもたらすかを目の当たりにしました。これらの出来事を通じて、多極化が進む世界において、アジア太平洋地域の複雑な社会問題や地政学的緊張が、多くの要因によって密接に関連していることを改めて認識しました。また、国際情勢についての理解が深まるとともに、日々の課題に対してもより広い視点とつながりを意識して取り組むことの重要性を学びました。
4年間の学びの中で最も印象に残っているのは、日本経済政策学会(JEPA)で卒業論文を発表したことです。研究テーマ「中国の双循環戦略が在中日系企業の事業活動に与えた影響」は、中国と日本の両方のルーツを持ち、幼少期のほとんどを中国で過ごした私のバックグラウンドから生まれました。立命館大学とANUで経済学と国際関係学を学んだことで、グローバル化が進む世界で重要な役割を担いながらも、歴史的に複雑な問題を抱える東アジアへの関心が深まりました。特に、日本と中国の緊張関係や両国間の経済・政治のダイナミクスに強く惹かれました。
卒業論文を書く過程では、リサーチ・クエスチョンの推敲からデータ収集、さまざまな文献調査に至るまで多くの挑戦がありました。しかし、修士課程の学生や専門家が集まるJEPA学会で自分の研究を発表する機会に恵まれたことは、努力が実を結んだと実感した瞬間でした。この経験は、国際経済のダイナミクスや日中関係について、さらに深く学びたいという自分の関心を改めて実感させてくれるものとなりました。
立命館大学グローバル教養学部(GLA)は、2つの異なる文化と環境に身を置くことで、さまざまなバックグラウンドや視点を持つ人々と出会える貴重な機会を提供できるユニークな学部です。この経験は、皆さんの視野を広げるだけでなく、批判的かつ独立した思考力、多文化理解力、社会への洞察力など、今日のグローバル社会で不可欠なスキルを身につけることもできます。たとえ現時点で今後の進路に迷いがあっても、GLAで自分の興味を深めることが、皆さんの未来への確かな一歩につながると思います。