教員紹介

MORI Tomoharu

森 知晴

森 知晴
所属領域
実践人間科学領域(博士前期担当)
職位
准教授
専門
行動経済学,労働経済学,公共経済学
主な担当科目
人間科学特論
おすすめの書籍
競争社会の歩き方大竹文雄 中公新書2017年

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

私の専門は経済学です。経済学の中でも、行動経済学・労働経済学・公共経済学という分野を専攻しています。人間科学研究科のウェブサイトをご覧いただくような方には、経済学という分野は馴染みがないと思います。経済学は心理学と同じく、対象が非常に幅広い分野で、その対象には重なる部分が多くあります。行動経済学とは、「心理学と経済学」とも呼ばれる学際的領域で、より良い人間行動のモデルの構築とその応用方法を研究する分野です。

私は昔から勉強が好きで、自然と大学院に進み、そのまま研究者となりました。所属は商学部→経済学研究科→総合心理学部・人間科学研究科と若干の変遷がありますが、人間行動を探究したいという思いは昔から変わることはありません。現在は税金に対する人々の態度・大学入試における受験生の行動・発生確率が低いリスクに対する行動など様々な研究に携わっています。将来的には心理学をきちんと勉強し、より学際的な研究を目指したいと考えています。

研究の社会的意義について、教えてください。

経済学はその学問的成果が社会的に大きな影響を持つ分野であると言えます。例えば、税金に関する研究の成果は実際の税制度の設計に活かされるので、その成果は国民全体に影響を与えます。このため、経済学の研究ではその研究が持つ政策的含意(Policy Implication)を考えることが常に求められます。この点は心理学との大きな違いと言えるかもしれません。

私が携わっている研究も、社会制度に関わりがあります。税金に対する人々の態度を知ることで、より人々が納得できるような税制を考えることができます。大学入試における受験生の行動を知ることで、より良い大学入試の制度を考える事ができます。発生確率が低いリスクに対する人々の行動を知ることで、地震のようなリスク事象に対する制度設計を考えることができます。このように、人間行動を研究することは、具体的な制度設計への提言につながります。

この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。

私は人間科学研究科では、様々な研究者と情報交換を行い、自らの経済学の研究に繋げたいと考えています。また、経済学の知見を他の学問に伝えることで、新たな知見を得る機会としていただきたいと思っています。2018年度には、人間科学特論という科目を担当します。内容は行動経済学です。せっかくの機会なので、ぜひ多くの方々に受講して頂きたいと考えています。

大学院生の方には、自分の専門をきちんと学ぶとともに、関連する様々な分野にも目を配ってもらいたいと思います。最近は、心理学と経済学を含め、様々な分野が密接な関わりを持つようになりました。人間科学研究科には様々なバックグラウンドを持つ教員が在籍しているので、ぜひ多くの方と話して見てください。こちらからも、交流の機会を準備していきたいと考えています。

著書等

  • No cover

    日本の労働市場―経済学者の視点 (有斐閣、2017年)

  • No cover

    最低賃金改革 (日本評論社、2013年)

経歴・業績について