教員紹介
MURAYAMA Aya
村山 綾

- 所属領域
- 心理学領域
- 職位
- 准教授
- 専門
- 社会心理学
- 主な担当科目
- 社会心理学特論
- おすすめの書籍
- 社会心理学・再入門―ブレークスルーを生んだ12の研究(J. R. スミス ・S. A. ハスラム (編)樋口 匡貴・藤島 喜嗣 (監訳))
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
集団や社会で生じるコミュニケーションの齟齬の理解と改善に興味・関心をもって研究を進めています。近年は、特に内在的公正推論(不運な目にあったのは日頃の行いが悪いから、のような非合理な推論)を強める社会・文化的要因について検討してきました。自己や他者に対する期待や推論、信念が、協力行動や分配行動に及ぼす影響にも関心をもっています。
研究の社会的意義について、教えてください。
私が研究対象とする集団や社会で生じるコミュニケーションの齟齬の問題は、すぐに解決方法や改善策が見つかるものではありません。また目標設定も容易ではありません。たとえば、新型コロナウイルスの感染拡大初期の頃に問題となった感染者や医療従事者に対する差別、すなわち、社会で生じたコミュニケーションの問題は、死者数の低減や経済状況の改善など、目に見える形の成果(数値)を目標として、何かしらの解決策をすぐに提示できるものではありません。一方で放置していると、集団や社会で必要となる合意形成の実現を阻むきっかけになるかもしれません。解決策や到達目標が必ずしも明示的ではないコミュニケーションの問題を紐解き、理解し、少しでも改善を試みようとする営みは、人が集団や社会を形成し、協力しあって生活している以上、必要不可欠であると考えています。
この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。
院生の皆さんは、それぞれに研究したいテーマがあると思います。調べたいこと、明らかにしたいことを社会心理学的な研究方法に落とし込み、研究計画を立て、データを収集、分析し、結果をまとめる一連の作業を真剣に、かつ楽しみながら進められる環境を提供できればと思っています。時に予想と違う結果が得られたり、作業が進まなかったりすることもありますが、それも大切な経験です。皆さんと一緒に研究できることを楽しみにしています。