教員紹介

NAKAHARA Yumiko

中原 由望子

中原 由望子
所属領域
臨床心理学領域
職位
嘱託講師
専門
臨床心理学、セクシュアリティ、特別支援教育
主な担当科目
臨床心理学特論、臨床心理学実習(心理実践演習)、心理的アセスメント
おすすめの書籍
Cup of Therapy : Together through the hours いっしょにのり越えようアンッティ・エルバスティ他 西本かおる(訳) 小学館2020年 過去をきちんと過去にする:EMDRのテクニックでトラウマから自由になる方法フランシーン・シャピロ 市井雅哉(訳) 二瓶社2017年

現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。

近年、問題行動や心身の不調の背景には、トラウマや逆境体験が影響していることが知られるようになってきました。孤立や社会的排除等の苦境のなかで、不信、攻撃、逃避といった行動をとるのは自然な事ですが、それが習慣化すると人との関係性が絶たれ、さらなる苦境に立たされてしまいます。
生涯における全ての体験は、人の内的世界を構築し、ものや人に対する反応を決めます。記憶には何年も前の体験も含まれ、意識ではそれが影響を与えていることに気づかないこともあります。そのような体験や記憶に痛みを感じ、回復する人間の能力を研究しています。

研究の社会的意義について、教えてください。

気づかぬうちに自分を動かしている未処理の記憶がストレスの要因になることは少なくありません。その問題点を見つけ、心身の状態を好転させる臨床心理学的支援に役立つ技法や理論を研究することは、苦しみを抱える人々が安心を感じることができる度合いを増やし、心身の健康にポジティブな影響を及ぼす方法を見いだし、すべての人々を生きやすくすることにつながると考えています。

この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。

大学院生のみなさんが新しい領域を切り拓いていく試みに、私も一緒に取り組んでいきたいと思っています。研究科内の教員や、国内外の学会発表を通して出会う研究者達とのディスカッションは、新しい自分へのチャレンジの大きな一歩になります。
臨床心理学の領域では心に苦しみを持つ人を支援対象とするため、臨床をするうえでは共感・セルフモニタリング・心理的安定の力が重要になります。気持ちを安定させるためには楽しい活動をすることも大切です。大学院生活では、いろいろな人やものとの出会いを大切に、関心あるテーマの研究・臨床に打ち込んでみてください。院生のみなさんと一緒に、研究や事例について話すことを楽しみにしています。

経歴・業績について