教員紹介
NAKATA Yuki
中田 友貴

- 所属領域
- 心理学領域
- 職位
- 准教授
- 専門
- 心理学史、文化心理学、社会心理学
- 主な担当科目
- 演習
- おすすめの書籍
- 人間の測りまちがいスティーヴン・J. グールド(原著) 河出文庫
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
「心理学がどのように変容してきたのか?」と「質的研究にAI技術を取り入れることは可能か?」という大きく2つのテーマに取り組んでいます。
「ヴントが1879年に世界初の心理学実験室を開設し、新しい心理学を確立した」ということが現在の心理学の始まりとして学ばれたかと思います。一方で当時から1950年ほどまでの心理学の研究論文や書籍をみると現在習う心理学と領域や手法、論文フォーマットなどは大幅に異なっています。どのように現在の心理学になったのかということについて、社会的制度や学会という制度、科学技術の観点から、心理学や研究というものを批判的に検討しています。
質的研究法は心理学内でも広がっていますが、実験的研究と比較すると、手続き的ではなく、哲学的な背景も異なっています。大規模言語モデルをはじめとしたAI技術により質的研究を実施し、人間との比較から質的研究の意義について明らかにしようと考えています。
研究の社会的意義について、教えてください。
血液型性格診断やIQなど研究知見が社会に拡散した知見の中には、そもそもの研究の目的と異なり、時に誤用されることがあります。研究知見を社会に向けて発信する際に、適切に理解されるような発信の一助になると考えています。
また質的研究でのAIと人間の違いから、人間のコミュニケーション理解や認識の理解につながると考えています。
この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。
失敗をおそれず、積極的に研究を進めていきましょう!
また自身の研究だけでなく、学内外の研究者や関連する実務家とも交流を行うことで、自身の研究をメタにとらえて、社会的な意義についても考えましょう。
研究や交流の経験は、研究だけでなく、その後にもふとした瞬間に関わってくることがあります。