教員紹介
SHUDO Yusuke
首藤 祐介
- 所属領域
- 臨床心理学領域
- 職位
- 准教授
- 専門
- 臨床心理学、認知行動療法、臨床行動分析
- 主な担当科目
- 健康心理学特論
- おすすめの書籍
- 行動分析学入門杉山尚子, 島宗理, 佐藤方哉, リチャード・W・マロット, マリア・E・マロット(著)
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
私の専門は、成人の精神障害や問題行動に対する行動分析学の応用、すなわち臨床行動分析と呼ばれる分野です。臨床行動分析はアクセプタンス&コミットメント・セラピーや機能分析心理療法といった認知行動療法の基礎となる領域です。その中でも、私は行動活性化療法と呼ばれる心理療法について、次の2点から研究しています。
1.行動活性化療法の精神障害者に対する適用についての事例研究
これまで、うつ病者に対する個別の実施や集団の実施について事例研究の形で研究してきました。また、現在は依存症に対する適用を検討しています。
2.行動活性化療法がwell-beingに与える影響
行動活性化療法の考え方は単に精神障害の改善だけではなく、健常な人がより健康に生きる上でも役に立ちます。この前提に基づき、行動活性化療法がwell-beingに及ぼす影響を検討しています。
研究の社会的意義について、教えてください。
行動活性化療法の核となる考え方は「その人にとって大切な活動を主体的に行うことを援助することは、うつ病の改善に役立つ」ということです。そのために、行動活性化療法の実践ではその人にとって大切な“もの”、すなわちその人の持つ価値を明らかにし、その価値に近づく・触れるような行動をするお手伝いをします。
しかし、その人の価値を明らかにし、それに触れる活動を増やすことは、うつ病で苦しむ人のみならず普通の人が「よりよく生きていく」ためにも重要なことです。このような研究によって得られた結果を社会に還元していくことで、障害の有無に限らずさまざまな人がよりよく活きるための手伝いになることを期待しています。
この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。
知識を学ぶだけの実践家は実践家ではありません。学ばず実践だけする実践家は危険な実践家です。専門家として必要な理論をしっかり学び、技術を磨き、態度を知ることが必要です。研究者としての素養を身につける必要もあります。そして実践に入り、スーパーバイザーや何よりクライエントからのフィードバックを受けて成長していかなければなりません。
大学院はこれをさまざまなサポートを得ながら身につけていける場所です。私も皆さんがより良い実践・研究ができるようになるようお手伝いしたいと思います。