教員紹介
UTSUNOMIYA Hiroshi
宇都宮 博
- 所属領域
- 心理学領域(博士前期・後期担当)
- 職位
- 教授
- 専門
- 生涯発達心理学、家族心理学
- 主な担当科目
- 演習、人間科学プロジェクト演習
- おすすめの書籍
- 成人発達臨床心理学ハンドブック岡本祐子(編) ナカニシヤ出版2010年
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
専門分野は生涯発達心理学と家族心理学です。主な研究テーマは以下の通りです。
1.親密な他者との持続的関係の展開と危機
- 中高年以降の配偶者との関係性と結婚生活の長期的持続および対人ネットワーク
- 婚約期から新婚期にかけての関係性の形成プロセスおよび妊娠・出産、親役割をめぐる展望
2.子どもの人格形成と家族システム
- 青年期のアイデンティティ形成と家族システムの機能性
- 成人子の結婚に対する態度と両親の結婚生活への適応
- 両親間葛藤への巻き込まれによる発達的影響
3.生殖医療における心理的支援
- 医療コミュニケーションと患者・家族の受診行動および精神的健康
- 不妊治療における夫婦の意思決定と生殖医療カウンセリングの役割 など
研究の社会的意義について、教えてください。
熟年離婚や晩婚化・非婚化が社会的関心事となっている今日、新たなライフスタイルが模索されています。改めて、結婚をすること、結婚生活を継続することの意味が問われているのではないでしょうか。
そのことは生殖や子育てについての問題とも密接に結びついています。夫婦をはじめとする、親密で持続的なパートナーシップの生涯発達に関する研究は、当事者の心理的適応はもとより、その子どものパーソナリティや社会情緒的な発達などを考える意味でも、有益な知見を提供できるのではないかと思われます。さらに、実証的な解明を通して、心理的、社会的な支援をめぐる議論において、重要な役割を担っているものと考えています。
この研究科でめざしたいこと、院生へメッセージをお願いします。
本研究科は、教員や関連施設の充実度から、心理学を学べる日本有数の大学院であり、今後日本の心理学研究の拠点の一つになることが期待されています。将来の進路としては、大学をはじめとする教育研究機関や福祉・医療施設,一般企業等、幅広い分野が想定されます。本研究科に進学された方は、豊かな教育環境を活かして大いに学びを深めるとともに、教員や他の院生とのつながりを大切に育んでいってください。大学院生活を通して培ったネットワークは、修了後それぞれのフィールドで活躍されるみなさんをきっと支えてくれるはずです。
院生の方への私個人の希望についてですが、私が取り組んできた研究テーマは、わが国では依然として研究者の数が乏しく、立ち遅れている現状にあります。研究テーマに関心をもってくださった方がいれば、是非とも一緒に研究に取り組み、積極的に情報を発信していってもらいたいと願っています。