映像研究科の人材育成目的と3方針
人材育成目的
映像研究科は、映像にかかわり、専門性が高くかつ汎用性もある知識・技能・技術・方法論を修得し、広い視野から自らの課題を捉え、多様化する映像関連分野に柔軟に取り組んでいくことのできる人間の育成を目的とします。
アドミッション・ポリシー
映像研究科は、映像に関わり、専門性が高くかつ汎用性もある知識・技能・技術・方法論を修得し、広い視野から自らの課題を捉え、多様化する映像関連分野に柔軟に取り組むことに関心と意欲をもつ学生を求めます。
これを実現できる人材を選抜するために、映像研究科では、以下のような指標に基づき選考を行います。
- これまでの実績が、映像研究科の研究領域であるサブジェクト・ゾーンにおいて、学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)に示されている教育目標を到達しうる素養を持ちえていると判断できるか。
- 研究計画書が具体的であり、かつ映像研究科の人材育成目的と合致しているか。
- 映像研究における基礎的素養、および作品制作や資料読解等に必要とされる語学力を有しているか。
- 自身の言葉で自らが有する映像分野に関する知識を明確に伝え、かつ履修後における将来像を示すことができるか。
教育課程編成・実施方針
(カリキュラム・ポリシー)
映像研究科は、学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)に示した教育目標達成のため、学生が自ら課題を見出して修士論文・制作に結実させていく課題発見志向のテーマ・プロジェクト型授業科目と、映像に関わる諸分野の研究に必要な知識・分析法・技能・技術を修得するディシプリン・リサーチ型授業科目の双方における学びを相乗的に組み合わせることのできるカリキュラムを編成・実施しています。
テーマ・プロジェクト型授業科目においては、複数指導体制による演習科目を軸に、導入科目、基幹科目、展開科目が配置されています。ここでは、多様化する映像関連分野に対する幅広い関心、倫理的態度、柔軟な応用力を涵養し、学生の主体的な考察力・表現力・発信力を育むことを目指します。
入学時から修士論文・制作に至る段階的なパスを設けることで、学生が自らの研究成果を具現化できるよう、学生の自主的・主体的取組みをサポートします。
ディシプリン・リサーチ型授業科目においては、映像に関わる研究領域が5つのサブジェクト・ゾーンとして設定されています。各ゾーンに関連づけられている展開科目(講義科目・実習科目)を受講することで、学生は自らの問題関心に照らし合わせつつ、理論と実践の両側面から、各ゾーンに関わる知識・技術・技能・方法論を修得し、それによって自らの研究視野を拡大していくことができるようになっています。
<5つのサブジェクト・ゾーン>
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【映画芸術ゾーン】
実写映画とCGアニメーションの作品制作において、自らの制作意図を広い観点から関連分野の中で位置づける視野、必要な表現技法を学び、突出した個性を持つ作品の制作を目指す。また、映画芸術に関わる理論的歴史的な研究を深める。
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【ゲーム・エンターテインメントゾーン】
ゲーム制作に関わる高度な専門知識・技能を学び、それらを駆使することで、学術的あるいは芸術的観点から独創性のあるエンターテインメント作品の制作を目指す。また、遊戯やゲームに関する知識体系を深く探求する。
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【クリエイティブ・テクノロジーゾーン】
メディア技術を活用した視聴覚情報の伝達と受容に関する先端的知識や技能を学修するとともに、そうした知見に基づく創造的な応用や開発について高度な研究を行う。
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【映像マネジメントゾーン】
主として、映像を用いた産業領域におけるビジネスモデルのデザインや運営方法および関連領域について専門的に学修する。国内ではコンテンツ産業、海外ではクリエイティブ産業として範疇化される「映像メディア産業」とそのビジネスに関する高度な専門知識を学ぶことを主な目的とするが、あわせて映像メディアを社会的に活用する資源管理の方法論に基づきながら、映像メディアを通じて地域や社会との有機的な関係を創造することを目的とした企画を開発・実行する力を習得する。学生は、映像メディア産業(コンテンツ産業、クリエイティブ産業、情報メディア産業)のマネジメントおよびマーケティング、社会的貢献について高度な専門知識を学ぶとともに、グローバルかつローカルの視点から、映像関連の政策立案、企画開発に伴う実践的課題に応える知識とスキルを体得する。
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【社会映像ゾーン】
現代社会の諸課題に応えるべく、人間の文化的活動によって生み出された有形・無形の文化的所産を記録し、映像資源としてアーカイブするとともに、放送からドキュメンタリー映像制作、学術領域における活用に至る、映像資源の蓄積・活用のトータルデザインを可能とする態度と知識、技能を体得する。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
映像研究科は、映像に関わり、専門性が高くかつ汎用性もある知識・技能・技術・方法論を習得し、広い視野から自らの課題を捉え、多様化する映像関連分野に柔軟に取り組んでいくことのできる人間の育成を目的として、修了時点において学生が身につけるべき能力(教育目標)を下記のように定めます。これらの能力の獲得について、研究科が規定する修了要件(必修科目4単位を含めて30単位以上を習得し、かつ修士論文・制作の審査に合格すること)を満たすことによってその達成とみなし、映像研究科修士課程の学位「修士(映像)」を授与します。
■教育目標
- (関心・意欲・態度) 映像に対する幅広い関心と倫理的態度に立脚し、社会還元や国際貢献を視野に入れながら、多様化する映像関連分野に柔軟に取り組む意欲を持つことができる。
- (知識・理解) 映像全般についての幅広い素養と専門領域に関する高度な知識をともに有し、映像の表現、活用、あるいは技術をめぐる諸課題を適切に理解できる。
- (技能・表現) 映像によって、あるいは映像について高度な研究を進める上で不可欠な技術・技能・方法論を体得し、社会還元や国際貢献に資する形で、制作、調査、文献読解等を行うことができる。
- (思考・判断) 映像に関するさまざまな思考や実践を分析し、社会的要請に応じた新たな主題を自ら設定した上で、映像によって、あるいは映像について独自の表現や考察を創出・展開し、これを明確に発信することができる。
■修士論文の審査基準
- 設定された課題が明確かつ適切であり、研究としての意義を持っているか(テーマの妥当性)
- 先行研究等が検討、吟味され、到達点が踏まえられているか(既存研究との関連性)
- 分析視角が明確で、記述や展開が説得的であるか(内容の緻密性)
- 習得した分析手法等を適切に用いているか(手段の適切性)
- 事実調査、文献資料、作品資料などの検索が十分にできているか(情報源の適格性)
■修士制作および解説論文の審査基準
- 設定された課題が明確であり、発想が斬新であるか(テーマの妥当性・独創性)
- 先行作品、研究等が調査、参照され、これらが活用されているか(既存作品・研究との関連性)
- 制作視角が明確で、制作物の内容が説得的であるか(内容の緻密性)
- 習得した技能、技法等を適切に用いているか(手段の適切性)
- 事実調査、文献資料、作品資料などの検索が十分にできているか(情報源の適格性)
- 解説論文において、制作物に関する考察が明確かつ論理的に記述されているか(制作物と解説論文との関連性)