大学を卒業した後は、ジェイアール東海ツアーズという旅行会社で約3年間、カウンターでの接客やJR券を販売するみどりの窓口業務に携わりました。
その後、高校時代から夢だった青年海外協力隊に参加。村落開発普及員として2年間、アフリカのモザンビーク共和国に派遣されました。国際協力に憧れて大学でも国際関係学を学んできたのですが、いざ現地に行くと、役に立つスキルや知識が何もない自分に気がついて情けなく不甲斐ない思いもしました。公用語のポルトガル語もなかなかうまくならず、異文化というストレスの中で、何度もくじけそうになりました。そんな時によく思い出していたのは、協力隊に派遣される前に2ヶ月間行われる訓練での仲間でした。彼らも世界中できっと同じように踏ん張っているのだから、私も頑張らなくちゃと自分を励ますことができました。
現地では農民組合の会合に参加してみたり、彼らの畑仕事を手伝わせてもらったり、NGOに飛び込みで情報をもらいに行ったり、おばちゃんたちのコーラスグループに参加させてもらったり、とにかくいろんなところに顔を出すようにしていました。
活動後半では、この何気ない人とのつながりが功を奏しました。料理用のかまどを普及する活動を始めたところ、人づたいで情報が入ってきたり口コミでうわさが広がるようになり、自然と活動がスムーズに進むようになりました。最終的には地域で活動していた3つのNGOが協力してくれる合同プロジェクトにまで発展し、私が帰国までに関わっただけでも、合計約150人の住民と29基のかまどを完成させることができました。
2010年に帰国した後は財団法人日本国際協力センターの契約社員として、厚生労働省から委託で実施している事業「日系人就労準備研修」のコーディネート業務に携わっています。私の仕事は、東海3県の複数の会場で実施されている研修で、行政書士や社会保険労務士を講師として手配することと、各会場の受講者の言語内訳に応じて必要な通訳者を手配することです。私が直接会場に行くことはあまりありませんが、受講者から「日本に来て何年も経つが、こんな講義は今まで受けたことがなかった。これまでは泣き寝入りしたことも少なくなかったが、今は正しい知識を得ることができた。ありがとう。」という言葉を聞くことが、やっていてよかったなあと実感すると同時に、次への活力を得られる瞬間です。
そして私は今年の4月から、学校の事務職員という新しい仕事に就く予定です。私自身、大学時代に多くの人に支えられて成長できたように、これからは、人の成長を見守りサポートする仕事を通じて、少しでも社会貢献できればと考えています。
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