STORY

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[実世界情報コース]

急速なデジタル化への疑問から入学し
「技術はどう使うべきか」を追究。
学内外での活動でものづくりも楽しんだ。

重本 玲奈SHIGEMOTO Reina

情報理工学研究科 情報理工学専攻 人間情報科学コース 博士課程前期課程2回生
(情報理工学部 情報理工学科 実世界情報コース 卒業)

PROFILE

兵庫県出身。デジタルの世界で完結せず、実際の「もの」を扱いたいと実世界情報コースへ。洋食店のアルバイトではバイトリーダーも経験。修了までの目標は、大阪いばらきキャンパス(OIC)の新しい施設を利用して、人がワクワクするものを創ること、学会誌に論文を掲載すること。

アナログとデジタルの良さを融合し
生活やコミュニケーションに活かしたい

私の関心は、デジタル技術そのものよりも「デジタル技術をどう使うか」にあります。

現在、特殊なペンで紙に手書きした文字をアプリに取り込める製品を使って、手書きとデジタルそれぞれの良さを融合させる研究を行っています。例えば、ガイドブックへの追加情報を手書きで書き込み、デジタルメディアで共有できたらどうでしょう。手書きだからこそ乗せられる熱い思いがあり、デジタルメディアだからこそすぐに共有が可能です。技術はあくまでも手段。人の生活やコミュニケーションにデジタル技術をどう活かすかを追求したいと思っています。

実世界情報コースは間口が広く、意志さえあればいろんなことに挑戦できるコースです。学部時代、先生にプロジェクションマッピングがやってみたいとお話しすると、ある企業を紹介され、京都オフィスのインターンシップに参加。ここでプロジェクションマッピング作品制作に携わったのは大きな経験でした。実際に手を動かしてものづくりをする楽しさを知っただけでなく、華やかなイベントの裏で緻密な作業が行われていることもよくわかりました。人の動線を考えることなど、実世界で情報技術を使うことの難しさも痛感しました。

インターンシップでのプロジェクションマッピング作品

学内外さまざまな人とコラボして
多様なものの見方と自分の強みを再認識

学部3年生ごろから、学内外でさまざまな人とコラボしてものづくりをするようになりました。

学内ではグラスルーツという支援制度を利用し、他学部の学生と協力してOICの階段にLEDテープの電飾を施したり、学園祭で噴水の中にインスタレーションを制作したりしました。インスタレーション制作では、ウェブサイト上からリアクションやコメントができるインタラクションシステムを担当。建築を学んでいる他学部の学生の考え方や空間の使い方などはとても勉強になりましたし、自分にとっては当たり前の知識や技術が、他学部の人から見れば強みになることも再発見できました。

学外では、「100 program」という学生のものづくり支援プログラムで出会った他大学の学生と、地図アプリ「KIOKU 」を開発し、ビジネスアイデアコンテストなどで賞をいただきました。思い出の画像や日記に位置情報を付加し、実際にその場所に行くことに価値を生み出す試みです。観光に関する課題解決に役立つものとして、ビジネス展開も見据えた活動をしています。

ここがスゴイ!

私の研究室

My Laboratory

棚いっぱいに、モニター、VRゴーグル、人の動きを撮影するカメラ、電子基板など、大小さまざまなガジェットがぎっしり入っていて「こんなことしたいな」「これ使いたいな」と思ったらすぐに取り出して使えるのがありがたいです。H棟5階には、うちの研究室が設置したパックマンの実機もありますよ。

何かを試作する時はまずここからガジェットを探します!

研究室内にはんだづけできるスペースがあります。

センサ作成に使う工具と材料がたくさんあります。

みんなに大人気のパックマンはうちの研究室が設置しました!

技術そのものより、技術をどう使うか
エンジニアとしてそんな仕事がしたい

私が情報理工学部に入学したのは、急速にデジタル化が進む世の中に「これでいいのか?」と疑問を持ち、批判するなら学ぼうと考えたからでした。修了を前に思うのは、情報技術とは、多くの人が手を加え続けているからこそ少しずつ進化しているということ、さらに多くの人が情報技術を学ぶことによって、今後進むべき方向も変えられるということです。

修了後、エンジニアとして就職予定のウェブ系の企業にも、技術そのものより、それをどう使うかに重点を置く仕事をしたいと伝えた上で内定をいただきました。技術ありきの状況に陥りそうになった時には「こっちの方がいいんじゃない?」と、うまく軌道修正できる人になりたいです。アナログかデジタルかではなく、両方の良さを融合したグラデーションの部分を楽しんでもらえるサービスや企画を作りたいと考えています。

教えて!先輩

私の学生生活

Question
Q

モチベーション回復法は?

A

いろんなものを見て、体験する

音楽イベント、舞台、美術館、スポーツ観戦などに行き「面白い!」「私もこんなのが作りたい!」というカケラを集めてモチベーションを回復。人と話して自分の大切なことを再確認したり、水辺を散歩してぼーっとしたりする時間も好きです。

学内で開催されたオーディオヴィジュアルイベントFlowにVJとして参加しました!

高校からバンドでベースとベースボーカルをやっています。

ジャンルを問わずライブやコンサートに行きます。

いろんな展覧会に足を運んで刺激を受けています。

野球観戦も好きで北海道まで遠征しました!

休憩時間には友達と笑い合いながらリフレッシュしています。

Message

情報理工学部を目指すみなさんへ

大学入学時のガイダンスで、職員の方から「やりたいことはどんどん口に出して言ったら周りの人がいろいろ教えてくれて、チャンスももらえるよ」と聞いたので、実際にやってみたら本当にそうでした。ぜひいろんなことに挑戦してください。考えることも大事ですが、どんどん外に出て、手や足を動かして、経験を積んでほしいと思います。