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[セキュリティ・ネットワークコース]
「なんとなくかっこいい」から始まった
サイバーセキュリティの学び。
誰もが安心・安全な情報社会を作りたい。
菅原 颯真SUGAHARA Soma
情報理工学研究科 情報理工学専攻 計算機科学コース 博士課程前期課程2回生
(情報理工学部 情報理工学科 セキュリティ・ネットワークコース 卒業)
PROFILE
大阪府出身。サイバーセキュリティの専門家を志して立命館大学に入学、上原哲太郎先生のゼミへ。現在はゼミのTAも担当。情報理工学部のプロジェクト団体でサイバーセキュリティに関する活動を行う「RiST」でも活動し、滋賀県警サイバーボランティアとして、小中高生に向けてITリテラシーやサイバーセキュリティに関する講演も実施。趣味は旅行。最近行って良かったのは新潟県の六日町温泉。
本文内容と送信先を分析して
メール誤送信を防ぐシステムを提案
サイバーセキュリティに興味を持ったのは高校生の時。サイバーセキュリティ要素が絡むスパイ映画を観て、ホワイトハッカーってなんとなくかっこいいと思ったのと、身近な人がフィッシング詐欺にあったことからも、攻撃を防ぐ側に回りたいと思ったからです。サイバーセキュリティが学べる大学を探して、この分野の専門家である上原先生がおられる立命館大学を選びました。
3回生から、上原先生のゼミでメールの誤送信に関する研究を始めました。高齢者やパソコン操作に慣れていない方が誤って自分の情報を漏らしてしまったり、攻撃を受けたりすることを防ぎたいとの思いから選んだテーマです。
メール送信時に送信先の再確認を促すダイアログメッセージの効果が薄れ、再確認の動作がされていないことが私の問題意識でした。そこで、本文内容と送信先を分析し、例えば同じ「田中さん」へのメールでも、会社名や所属部署とメールアドレスの組み合わせがいつもと違うなど、誤送信の可能性が高い場合にだけ警告するようなシステムをいくつか提案しました。
環境要因から誤送信を防ぐ研究を
国際学会で発表することが目標
学部での研究を通して、ユーザーに注意を促す対策には限界があるのではないかと思うようになりました。目指すべきは、ユーザーに負担を強いるのではなく、意識せずともシステム側が検知してくれる状況ではないか、そう考えるようになったのです。
セキュリティの専門家として社会に貢献したい、より高い専門性を身につけたいと大学院に進学した私は、学部時代とは違う着眼点から「誤送信が起きそうな環境」を検知するシステムの研究を始めました。
今は、誤送信が起きるさまざまな環境要因をインタビューによって集め、分析しているところです。例えば複数のメールを送信しようとしている時、話しかけられている時、PCの画面が煩雑になっている時など、いくつかの要因が検出されつつあるので、それぞれへの対策をシステム側で用意したいと考えています。
メールの誤送信は世界的にも問題となっています。在学中に国際学会で研究発表し、メール誤送信防止の一助になることを目指しています。
私の研究室
My Laboratory高性能なPCや3Dプリンタ、ドローン、アイトラッカーなど、研究に必要なものはなんでも揃っていますし、必要なものは買ってもらえます。お菓子とドリンクが常に用意されているのもありがたいです。一人で考えていても煮詰まることがありますが、ホワイトボードを使ってみんなで話していると、着眼点のヒントやアイデアがもらえることもあります。
社会的弱者も安心して暮らせるよう
情報の専門職として国家公務員に
セキュリティ・ネットワークコースでは、コンピュータやネットワーク技術の仕組みから始まり、情報社会の基盤を支える技術を体系的に学ぶことができました。基礎を深く理解しているから応用も可能。卒業生の幅広い就職先がそのことを物語っていると思います。
大学院修了後、私は国家公務員としてサイバーセキュリティに携わる予定です。民間企業も視野に入れていたのですが、サイバー犯罪の被害者は社会的に弱い立場にいる人が多いことから、そんな方々にも安心して暮らしてもらえる情報社会を作るためには国家公務員が最適だと考えました。国家公務員総合職試験では、2022年度に「デジタル」区分が新設されたので、私もその区分に応募。専門試験の内容は授業の内容そのものでした。情報理工学部のカリキュラムなら特別な準備は必要ないと思います。
大学、大学院を通して身につけた情報通信やサイバーセキュリティに関する専門性を活かして社会的弱者を守るとともに、サイバー攻撃や災害に強い情報社会を作ることによって、国民の皆さまの安心・安全を確保し、経済の活性化にもつなげたいと考えています。
私の学生生活
Question-
Q
リフレッシュ方法は?
-
A
秘境の温泉で頭の中を整理
電車が数時間に1本しか通っていないような秘境の温泉に行くのが好きです。研究室にいると考えることが多すぎて、まとまらなくなることもあるのですが、きれいな景色と非日常を味わっていると頭の中が整理され、それが次の研究に活かされています。
Message
情報理工学部を目指すみなさんへ
わくわくすることが学べる大学・学部を選んでください。学会ではいろんな大学の人に会いますが、自分の「好き」を追究している人は優秀で、しかも強い。そこに偏差値は関係ありません。立命館はさまざまな面でサポートが充実し、みなさんの「好き」をしっかり受け止めてくれる大学だと思います。
私の「好き」に興味を持ったら、
セキュリティ・ネットワークコース へ