圧倒的な技術力で
情報インフラを守れる人になる
セキュリティ・ネットワークコース
さまざまな攻撃に耐えうる強固なネットワークとソフトウェアを構築し、情報化社会に安心・安全を与えることのできる人材を育成する
情報化社会の進展に伴って、あらゆる業種の企業が情報インフラを活用してビジネスを展開するようになりました。一方で、情報インフラに対する攻撃は増加の一途をたどっており、セキュア(安心・安全)な情報インフラの実現は情報通信分野における最重要分野となりつつあります。
このような社会変化を受け、本コースは、情報システム、セキュリティ・暗号技術、ネットワーク技術全般に関する広範な知識と、情報化社会のニーズに対応できる高度な実践能力をもつ人材の育成を目指しています。
本コースでは、コンピュータハードウェアの基礎から、コンピュータシステムをトータルに学べると共に、インターネットやモバイル・ワイヤレスネットワークを活用したネットワークシステムの設計・構成技術全般を学び、さらにセキュアな情報インフラの構成技術・暗号技術を学びます。
-
01 このコースで学べること
セキュリティ・暗号技術全般を実践的に
身につけることができます。セキュリティの根幹をなす技術である、暗号や認証、電子署名について、その基礎から学ぶことができます。この技術を基に、通信を盗聴やなりすまし、妨害などの攻撃から守るためのネットワークセキュリティ技術や、サイバー攻撃に耐性のある情報システムを構築するためのシステムセキュリティ技術を学びます。
演習では、脆弱性のないソフトウェアの作成方法や、サイバー攻撃から情報システムを守る方法、サイバー攻撃が発覚した際の対処方法なども実践的に身につけることができます。特徴的なカリキュラム
-
02 このコースで学べること
インターネットやスマートフォンの仕組み、情報通信ネットワーク技術全般を
身につけることができます。情報化社会を支えるインターネットが情報を伝える仕組みや、スマートフォン・タブレットには欠かせないワイヤレスネットワークについて、基礎的な知識だけでなく、実際にネットワークシステムを設計・構築するための実践的な技術まで学びます。
-
03 このコースで学べること
コンピュータの仕組みを基礎から
身につけることができます。ハードウェアとソフトウェアが動作する仕組みを身につけることができます。
この2つが動作する仕組みを理解することは、情報科学の神髄を知るということです。今後コンピュータの分野が進歩しても変わらない本質を学び、みなさんが未来に渡って確実な技術者として活躍できる、その土台を作り上げます。
ソフトウェアにはなぜ脆弱性(攻撃に対する弱さ)が生まれるのでしょうか?攻撃はどのようになされるのでしょうか?どうすれば強いソフトウェアを作れるのでしょうか?その答えを導けるようになるための技術を習得します。
特徴的なカリキュラムCURRICULUM
-
暗号理論 重要情報を送受信あるいは保存する際に、それを第三者に対し無意味なものに変換する重要な数学的手法を学ぶことができます。
-
暗号応用技術 暗号の応用技術であるプライバシー保護技術を基盤として、大規模な個人情報(ECサイトの購買履歴や医療情報等) を保護しつつ、どのように活用するかに取り組んでいます。
-
個人認証技術 システムの正規利用者であることを相手に検証させる技術を学ぶことができます。具体的には、生体認証では指紋や虹彩が利用されます。
-
符号理論 通信路上のノイズや、記録メディアの特性に起因するデータ誤りを訂正する手法などを具体的かつ実践的に学ぶことができます。
-
ワイヤレスネットワーク スマートフォンやタブレットには必要不可欠であるワイヤレスネットワークについて、深い知識を学びます。また、超高速な無線通信を実現するための発展的な技術(マルチアンテナシステム、ミリ波通信など)
-
コンピュータネットワーク 巨大なインターネットを構成しているコンピュータネットワークの基本構造(LAN, WANなど)や基本技術(TCP/IPなど)に加えて、ネットワークシステム・サービスを設計・開発するための応用技術まで幅広く学びます。
-
ネットワークセキュリティ コンピュータネットワーク対する攻撃の仕組み(マルウェア、DoS攻撃など)に加えて、安全なネットワークシステムを設計・構築するためのセキュリティ技術(暗号、認証・認可など)まで幅広く学びます。
-
モバイルアドホックネットワーク インターネットに接続できない場所でも、スマートフォンやタブレットを相互に接続することで、現実世界の広範囲で通信が可能となるモバイルアドホックネットワーク技術について、アプリケーション(車両間通信による安全運転支援など)まで含め幅広く学びます。
-
センサネットワーク 小電力なワイヤレスネットワーク(ZigBee, LoRaなど)を活用して現実世界に配置した色々なセンサをインターネットに接続し、野生生物や環境を長期的に観測するセンサネットワークの構築について、基礎技術の学習から現場での実践まで、幅広く取り組んでいます。
-
遅延耐性ネットワーク 離島や山岳地帯のようなインターネットの敷設が難しい場所でも、人や車両・ドローンに取り付けた通信装置が情報を「蓄積」し、他の装置と通信の機会を得ることのできる場所まで情報を「運搬」する遅延耐性ネットワークについて、基礎技術に関する知識の習得からシステム開発まで、幅広く取り組んでいます。
-
ネットワークキャッシュ 動画などの大容量データをインターネット上で高品質・低コストで配信するには、動画データを一時的に保存して配信するネットワークキャッシュの利用が不可欠です。本コースでは、インターネットの基幹技術の一つであるキャッシュの利用形態や制御技術について学びます。
-
サイドチャネル攻撃への対策 サイドチャネル攻撃とは、プログラムの動作にかかる時間や CPUの温度のような一見無害な情報を利用して機密データを推測したり許可されていない通信を行ったりする攻撃のことです。このような攻撃への対策として、コンピュータを使う技術だけではなくコンピュータの動作原理を様々な角度から深く理解した上でより安心・安全なコンピュータシステムの設計を研究します。
-
高信頼性、高可用性(Dependable) システム ディペンダブル、言い換えれば、高信頼性、安心安全の分野。具体的には、データセンター、各種サーバーに必要とされる365日24時間無停止のサービス提供を如何に達成するかなど、卒論で取り組んで学ぶことができます。
-
プログラム解析 ソフトウェア工学分野で、機密性の高いデータが意図せずに流出しないように、プログラムを解析する技術についても研究しています。
-
コンピュータセキュリティ OSはアプリケーションを安全に動作させるためのセキュリティ機能を有しています。仮想化技術もOSを保護するセキュリティ機能を有しています。しかし、高度化しつづける攻撃に対し、安全なOS実行環境やアプリケーション実行環境を実現すべく、OSや仮想化技術においてもさらに強固なセキュリティ機能を構築していく必要があります。
-
オペレーティングシステム(OS) 我々が日常使うコンピュータでは、ハードウェア上で動作する多くのアプリケーションを、切り替えながら使うことができます。とても便利ですが、これはOSと呼ばれる特別なソフトウェアのおかげなのです。OSは、ハードウェアをいつでも使えるよう維持管理し、アプリケーションへインタフェースを提供しています。また、アプリケーションをたくさん起動しても効率良く動作するよう調整をしたり、アプリケーションが互いに独立して安全に動作する環境を実現します。
-
仮想化技術 OSは、1台のハードウェア上で複数のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアでした。仮想化技術は、それをさらにもう一段高度化させ、1台のハードウェアで複数のOSを動作可能としています。この技術によって、従来複数のハードウェアで個別に動作させていたシステムを1つにまとめてコストダウンさせたり、動作中のOSを一時停止して別のハードウェアに転送・再開させて対故障性を向上させたりできます。さらには、OSの動作を監視して、セキュリティレベルを向上させることもできるのです。