QUESTION 「そんなつもりじゃなかった」が
「そのつもりだった」といわれるの?

KEYWORD #民事法

なんのはなしかわからなかったヒトも多かったのではないでしょうか?
きょうはサイバンのはなしをしようとおもいます。

ヒトはホントのことも言いますが、よくウソもつきますよね。

サイバンでは、あるヒトがホントのことを言っているのか、ウソを言っているのか、そのヒトのひととなりをよく知らない第三者(これをサイバンカンといいます。)が判断しなければいけません。これはとてもむずかしいことです。
みなさんならクラスメイトのはなしがホントかウソかあてられますか?トモダチのキャラを知っていれば、もしかしたらあてられるのかもしれませんね。

サイバンは、そのヒトの一生にかかわるかもしれないことをあつかっていますから、ホントかウソかをまちがえてはいけません。だから、サイバンカンの判断は、とてもおもいし、むずかしいのです。

さて、あるヒトがサイバンで「そんなつもりじゃなかった」と言ったとしましょう。
それがホントかどうかはそのヒトしか知りませんし、ホントは「そのつもりだった」のに「そのつもりじゃなかった」とウソをついたのかもしれません。

こんなとき、サイバンカンが「そのつもりだった」と判断するためには、そのヒトの「そのつもりでした」という自白があるととてもラクです。
でもこのQuestionでは、そのヒトは「そんなつもりじゃなかった」と言っているのですから、そもそも自白なんてありえませんよね。

じゃあ、サイバンカンは「〔やっぱり〕そんなつもりじゃなかった」と判断するほかないのでしょうか?
いやいや、そんなことはありませんよね。だって、サイバンですから。
ホントのことをあきらかにしたいですもんね。

じつは、あるヒトが「そんなつもりじゃなかった」と言ったとしても、サイバンカンが「〔じつは〕そのつもりだった」と判断することはありうるのです。

だいじなのは、その判断をどのようにするかですが、これについてはいままで長い時間をかけてノウハウがたまっていて、そのヒトがココロのなかでなにをおもっていたかではなく、客観的で具体的な事実をつみかさねることで、そのヒトのココロのなかはこうなっていたはずだとスイソクをかさね、さいごに「〔じつは〕そのつもりだった」と判断することになります。

でも、ひとつだけ、サイバンカンがぜったいにやってはいけないことがあります。なにかわかりますか?
それは、あるヒトは「〔じつは〕そんなつもりじゃなかった」のに「そのつもりだった」と判断することです。

賢明なみなさんなら、いままでのはなしとどこがちがうか、もうおわかりですよね?