シミュレーションプラットフォーム

  1. 細胞モデルシミュレーションプログラム自動生成ツール CellCompiler


    生体機能シミュレーションのソフトウェア環境では,生命科学に詳しくない情報系の研究者でも,シミュレーションモデルに対して統合,修正等の編集 が可能なように,生命科学分野の知識情報をモデルに付加するシステムを研究しています.また,複雑なシミュレーションモデルを効率良く計算するためのソフ トウェア環境の研究をしています.このツールでは,細胞モデル記述言語 CellML で記述されたモデルと,オイラー法やRunge Kutta法などの微分方程式の数値解法を記述したTecMLファイルと,これらのファイルの間の対応関係を書いたRelMLファイルを入力として,シミュレーションを行うプログラムを自動的に生成します.出力は,C言語やJava言語で記述された普通のプログラムなので,ユーザは自由にプログラムを修正することが可能です.

  2. 計算手順記述言語 TecML

    CellCompilerは,細胞モデルが記述されたCellMLファイルに含まれている微分方程式を対象に,オイラー法などの簡単な微分方程式の数値解法から,多重ループを利用する複雑な連成計算スキームまで,様々な数値計算スキームを記述したTecMLファイルを入力として,微分方程式を,入力した数値計算スキームで計算するプログラムを自動的に生成します.多ステップの計算点で微分方程式の計算を行うRunge Kutta法や,多段で計算を行うAdams Bashforth法などの多段階法だけでなく,時間ステップが大きく異なる複数のオイラー法で構成された連成計算スキームや,収束計算を伴う微分方程式の計算等,複雑な計算スキームを記述するTecML言語を提案しています.

  3. シミュレーションプラットフォーム DynaBioS

    心臓シミュレーションは,京都大学医学部生理学教室で開発された細胞生理学シDynaBioS ミュレータsimBioと,商用の有限要素 法ソフトウェアMSC社marcを用いており,これらの要素シミュレータを統合して 連成シミュレーションを実現するソフトウェアとして,連成シミュレーションプ ラットフォームDynaBioS を開発している.DynaBioSは,複数のシミュレーションモデルを用いる連成シミュ レーションにおいても,それぞれの専門分野の研究者によって構築されるシミュ レーションモデルをそのまま既存シミュレータで実行しながら連成シミュレーショ ンを実現できるソフトウェア環境である.GUI_normal2