現代東アジア言語・文化専攻
東アジア地域は古代より現代まで、時には対立や抗争も交えながらも、切っても切れない文化的交流を進めてきました。本専攻では、ダイナミックに変容しつつある東アジアの現代的課題について、「言語・文化・歴史」という3つの視角から総合的に学びます。「言語」では、中国語・朝鮮語の構造について日本語との比較も含めて理解を深めます。「文化」では、中国・台湾・韓国の文化コンテンツ(文学・映画・ドラマ・アニメなど)の分析を通じて各地域の社会生活を理解します。「歴史」では、東アジアの現代史を学びながら過去の対立が今に残す問題を未来志向的に解決する方法を探ります。こうした3つの視角による学びを通じて共通性と多様性を再発見し、東アジアの共生を担う人材を育成します。
その基盤として、中国語または朝鮮語の実践的なコミュニケーション能力の養成を重視します。現地実習・留学プログラムはもとより、遠隔通信システムを用いて中国・韓国の学生たちとテレビ討論を行なうユニークな授業なども準備しています。
現代東アジア言語・文化専攻の特徴
- 東アジアの現代的課題を、文化的・歴史的に広く理解できる能力の育成。
- 朝鮮半島と中国(台湾を含む)が直面する課題を、文化(文学・サブカルチャー・現代史など)的視角から深く検討できる能力の育成。
- 現地実習・遠隔講義などを含めた実践的な中国語・朝鮮語コミュニケーション能力の養成。
- 東アジアの現代的課題への考察を軸とした4年間にわたる小集団教育による、自ら問題を発見し解決していく能力の育成。
講義紹介
- 現代東アジア言語・文化概論I~III 現代の東アジアにおける文化・社会・歴史に関する基礎的な知識を着実に修得することを目的としています。対象地域は、主として中国(台湾・香港などを含む)・朝鮮半島ですが、日本との関係という視点を忘れるわけにはいきません。現代東アジアの課題を立体的に学びます。
- 東アジア現代文化論Ⅰ 現代中国(台湾・香港などを含む)の文化現象を具体的かつ専門的に学びます。文化の概念は広いですが、文学テキストから映画・ドラマ・アニメといったサブカルチャーまでを対象に、現代的課題に即して講義します。
- 東アジア現代文化論Ⅱ 現代の朝鮮半島における文化現象を具体的かつ専門的に学びます。主として韓国の文学テキストや映画・ドラマなどを中心に講義を進めますが、北朝鮮が直面している文化的課題についても紹介し議論していきます。
- 東アジア遠隔講義I・II インターネット回線を用いて、中国・韓国の学生・院生(広州・広東外語外貿大学東方語言文化学院/釜山・東西大学校日本語日本文学科・日本地域学科)と共同で授業を進めます。統一テーマを設定して、各国の現状を報告し討論します。中国・韓国でフィールドリサーチを行う集中講義も実施します。
- 中国現地実習/韓国現地実習 中国または韓国という現場で、語学研修とフィールドワークを組み合わせた、2週間から1ヶ月程度の現地実習を行う授業です。事前講義で当該地域の概況を学ぶ中で、自分なりのテーマを設定し、現地で当該言語を用いたリサーチを進めます。
- 専門外国語(中国語・朝鮮語) 文学部共通科目ですが、現代東アジア言語・文化専攻向けのクラスを設置し、中国語または朝鮮語の高度な運用能力の育成を図ります。文献を批判的に解釈・分析できる読解力はもとより、豊かなコミュニケーション能力の養成を実現します。