VOICE

2 期生 廣田 貴也

廣田 貴也

人間科学研究科
博士後期課程1年

心理学と法学が交錯する研究領域を切り拓く

育成拠点: 人間科学研究所

INDEX

  1. 01博士課程後期課程への進学動機、また現在の研究活動・院生生活について
  2. 02NEXTフェローシッププログラムについて
  3. 03今後のキャリアプランについて
  4. 04院生へのアドバイス・メッセージ

01博士課程後期課程への進学動機、
また現在の研究活動・院生生活について

大学院&博士課程に進学された動機を教えてください

大学院への進学は学部4回生のときに決意しました。学部生の頃から研究をすることが楽しかったことと、自分が現在取り組んでいる研究テーマの事例は日本国内では極めて少なく、学問的な貢献をしたいと考えたのが進学の決め手になりました。進学理由が研究に対する関心だったため、修士課程で終えるという考えはなく、自然な流れで博士課程に進みました。
私の研究は心理学と法学の交錯領域に属しています。元々高校生の頃からどちらの領域に対しても関心がありました。大学受験のときにOICキャンパスで法と心理に関することが学べると知り、心理学をベースにして法と心理について勉強したいと思い、総合心理学部を選びました。立命館大学に入学してからは、学部、修士、博士と、同じ指導教員のもとで一貫して指導を受けながら法と心理学の研究を続けています。

現在の研究テーマ、取り組み始めたきっかけ、研究の面白さ、やりがいなど

私の研究テーマは、日本版司法取引の心理学的検討です。私の研究では、質問紙調査などの実証的な手法を用いて、司法システムとそれに関わる人の心理分析を行います。
この研究テーマは心理学と法学の中間に位置付けられます。私は総合心理学部に入る前から司法領域の問題にも関心がありましたので、ゼミ選択の際に法と心理学を専攻するゼミを選びました。ゼミに所属後日本でも司法取引が導入されることを聞き、指導教員にこのテーマに興味があると伝えたところ、「ぜひやりなさい」と背中を押していただきました。
司法取引に応じるか応じないかは個人の意思決定にかかるので法則性を見出すことは難しいです。しかし、心理学的な分析によって、ある程度の傾向を導出することができます。その心理学的知見を応用し、裁判での虚偽供述や無実の人が司法取引に応じてしまうケースを増やさない、また減らしていくことを少しでも実現することが、私の研究の意義だと感じています。

02NEXTフェローシッププログラム
について

薬学研究科 廣田 貴也 イメージ1
本プログラムを知ったきっかけや現在の役割について

本プログラムを知ったきっかけは、指導教員から本プログラムの存在を教えていただいたことです。本プログラムでは他の研究科の方々と交流する機会を得ることができるため、多くの方から意見をもらって自分の研究を深めるよい機会だと思い、応募しました。
研究拠点では、プロジェクトの研究実施者として研究を進めており、総会など成果報告の場では研究成果を報告する役割を担っています。

NEXT学生フェローに選ばれて良かったことやメリット、可能になったこと

他の研究科の方々と交流できること、またグループワークなどを通して自身の研究について他者に説明する経験を通して研究を見直す機会を得られる点が、NEXT学生フェローに選ばれるメリットだと感じています。意見交流することで自分自身の研究の理解に深みが出たり、実際に研究の視野が広がったと思います。そして、NEXTフェローシップ・プログラムでは、本当にさまざまな方の話を聞く機会が提供されます。例えば、私の志望するアカデミックキャリアに携わる方から話を聞けたり、企業の方の話を聞く機会もあり、この点も大きなメリットであると感じています。
また、NEXT学生フェローになってから経済支援が充実し、研究がかなり安定しました。研究費の心配が少なくなったため、よりいろいろな学会に参加できるようになり、修士時代と比べ参加できる学会は格段に増えました。

03今後のキャリアプランについて

修了後の進路、今後のライフプランについてどのように考えていますか?

私はもともと研究がしたくて博士後期課程に進学しました。今もその思いは変わっておらず、まだ具体的なものはありませんがアカデミックキャリアに就きたいと考えています。そのために十分な研究成果を出せるよう、日々努力を重ねています。また幸運にも研究員の立場で活動されている方とも接する機会も比較的多くいただいています。指導教員を筆頭に、そういった先輩研究者の研究活動も拝見させていただき、よいところを吸収しながら、自分自身も研究者としてのキャリアを積みたいと考えています。

04学部生・院生への
アドバイス・メッセージ

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大学院博士課程後期課程進学を考えている学生へアドバイスやメッセージをお願いします

もし「自分が本当に博士課程でやっていけるのか自信がない」という問題だけで悩んでいるのであれば、博士課程進学にチャレンジした方が良いと思います。自分のしたい研究と似た研究がすでにあったとしても、研究にはその人自身にしかできないことが多分に含まれており、チャレンジしてみる価値はあります。ぜひ、その専門性を埋没させることなく活かしていってもらえたらいいと思います。根気よく続けていくことで自分にとっても自覚できる形で自信が出てくるはずです。
一方、金銭面の不安があったり周囲の人の理解を得られない人も、進学をあきらめる必要はないと思います。フェローシップ制度のほかにもさまざまな支援があります。まずは調べて、自分が本当にしたいことを実現できるようその先につなげていってください。

研究活動とプライベートの両立、リフレッシュの仕方について教えてください

研究活動とプライベートの両立の理想は、やはり、研究計画に則って研究活動を行いながら同時にプライベートも充実させることです。そのためには、心身ともに負担が大きくなりすぎないように過ごすのが大切だと思っています。とは思いつつも、まだ大学院後期課程1回生ということもあって、そのバランスを取ることには苦労しています。研究活動とプライベートのバランスをとることの大切さ、特に、研究に役立つため行っているボランティアやアルバイト等への取り組み方の時間配分を考える必要があると本当に日々実感しています。
研究の合間の息抜きは、休憩時間に自分の好きなことをめいっぱい楽しむことだと思います。好きな音楽を聞いたり動画を見て笑ったり楽しんだりする時間が、自分にとって一番のリフレッシュになっています。

(2023年2月 掲載)