新任教員のご紹介
2025年4月に嘱託講師として菅智穂先生が着任されました。ご着任にあたって抱負をお聞きしました。
こんにちは!この4月、衣笠に着任した菅智穂です。
私は、学生時代、100を超える国・地域から学生が集うキャンパスで過ごしました。その環境には、文化や言語の多様性があふれ、異なることが当然のこととして存在していました。大学卒業後、民間企業での仕事を経て、日本語教育の世界に入っていったのも、学生時代の自分を取り巻く環境の居心地のよさを社会の中に築いていきたいという想いからでした。
日本語教育に出会ったことで、私は自分の中にあった様々な興味関心や疑問について向き合う経験をしています。それは例えば、受講生が一生懸命に日本語を学ぶ姿から、人はどのように動機づけられていくのかを考えることでした。また、受講生と越境文学作品を読み、母語や第二言語で活動することについて考えたり、言語と言語の類似性や違いを発見し、感動したりするというものでした。さらに、同じく日本語教育に携わる仲間と日頃のモヤモヤを語り合うことで、自分たちの経験を捉え直すということでした。どれも一人ではできなかったことが、幸運なことに、受講生や仲間たちと語ったり、聴いたりすることによって、より自分を理解する機会となっていました。
このような日頃の経験を通して、私は一人ひとりが持つ想いや経験を語り聴くことで、私たちが自分を理解していける場としての日本語教育実践を目指すようになりました。そのために、私たち一人ひとりの中にある多様な想いや経験を日本語で言語化していけるよう、居心地のよい学びの環境をデザインしたいと思っています。私たちの中にある多様な声を形にして、自分の中の複数性を認識していくことは、他の人の様々な想いの理解を促すことにもなると思います。何かの目標達成や目的のために学ぶだけではなく、これから先の自分を励ます大切な「今」を学びの場で築けるよう、受講生や仲間たちとともに試行錯誤していきたいと思っています。
