研究・産学官連携ニュース

2015年09月のニュース

2015.09.16

飴山惠・理工学部機械工学科教授らのグループが公益社団法人 日本金属学会第63回論文賞を受賞

この度、飴山惠・理工学部機械工学科教授らのグループが「材料プロセシング部門」において第63回論文賞を受賞した。この賞は、前年の会誌・欧文誌に掲載された論文中、特に優秀な論文に対して贈られる。

受賞論文
「Application of Harmonic Structure Design to Biomedical Co-Cr-Mo Alloy for Improved Mechanical Properties」
受賞者名
立命館大学 理工学部 Choncharoen Sawangrat氏(現:タイ・チェンマイ大学講師)
立命館大学 理工学研究科 山口 理氏(現:株式会社村田製作所)
立命館大学 総合科学技術研究機構 専門研究員 Sanjay Kumar Vajpai氏
立命館大学 理工学部 機械工学科 飴山 惠教授
受賞論文の概要
生体材料としても用いられるコバルトクロム合金は、高強度であるが難加工性材料であるため適用範囲が限られていた。しかし、「調和組織制御プロセス」という新しい手法を適用することで、高強度と高延性が両立するという革新的な力学特性を有し、しかも加工性にも優れた材料を創製することに成功した。さらに、同材料に特有な結晶構造変化について、プロセスの各過程における変化の詳細を明らかにした。本研究成果により、今後様々な分野への適用が可能となることが期待される。
飴山教授のコメント
「第一著者のChoncharoen Sawangrat君はタイのチェンマイ大学出身の博士留学生で、3年間の限られた年限の中で優れた研究成果を出しました。現在、母校の講師として頑張っています。「調和組織制御法」は立命館大学オリジナルの画期的な材料創製方法です。金属材料の特性として、強さとねばさは両立しないというパラドックスが存在しますが、調和組織制御法はこの既成概念を打ち破った、材料科学のパラダイムシフトとなりえるものです。本論文は難加工性材料のコバルトクロム合金でそれを実証した研究です。これまで革新的力学特性材料創製プロジェクト(JST)、新学術領域研究(科研費)を通じて研究を推進してきましたが、同君をはじめとする研究室メンバーの不断の努力が今回の受賞に繋がったと言えるでしょう。」

授賞式は9月16日(水)九州大学伊都キャンパスにて執り行われた。

【公益社団法人 日本金属学会HP】http://jim.or.jp/

続きを読む

2015.09.29

水野瀬里奈さん(薬学部精密合成化学研究室4回生)、第18回ヨウ素学会シンポジウムにて優秀ポスター発表賞を受賞

立命館大学薬学部精密合成化学研究室4回生・水野瀬里奈さん(指導教員:薬学部創薬科学科土肥寿文准教授)は、第18回ヨウ素学会シンポジウムで優秀ポスター発表賞を受賞しました。

本学会は、日本の誇る貴重な天然資源であり、医農薬・電子材料等の多岐な分野で利用が拡大しているヨウ素を機軸とした産業や研究を大いに発展させることを目的に発足したもので、大学、企業、ヨウ素業界が均等に参加していることが特徴のひとつです。

水野さんが所属する精密合成化学研究室では、超原子価ヨウ素と呼ばれる一群の化合物を用いた効率的な有機化合物の合成や、新規な有機化合物合成法の開発研究に取り組んでいますが、水野さんはその一環として行った研究の成果である、医薬品等に含まれるカルボン酸部位に対して選択的に芳香環を導入する新手法についての優秀なポスター発表を行ったと認定され、今回の受賞に至りました。この手法では、医薬品や天然物のような多数の反応性官能基を持つ複雑な分子においても単一の生成物のみを効率よく与えること、有害な金属触媒や塩基を使用しないこと、中性条件下で溶媒を必要としないこと、反応性が低いカルボン酸でも効率的に反応が進行することなどの、これまでにない優位性を持つことが評価されました。

水野瀬里奈さん(薬学部精密合成化学研究室4回生)、第18回ヨウ素学会シンポジウムにて優秀ポスター発表賞を受賞

第18回ヨウ素学会シンポジウム HP:http://fiu-iodine.org/symposium_new/
2015年9月16日(水) 千葉大学にて開催
発表者:立命館大学薬学部 水野瀬里奈
演 題:ジアリールヨードニウム塩を利用する高効率的メタルフリーカルボン酸アリール化法

続きを読む