実体験から学んだ、国際協力で大切なこと
松田 奈名子さん(政策科学部2回生) 国際協力学生実行委員会(CheRits)代表
城 佳奈さん(政策科学部2回生) 国際協力学生実行委員会(CheRits)副代表
私たちCheRitsは、2004年に発生したスマトラ島沖地震で深刻な被害を受けたスリランカの教育再建を目標として、大学の「学校再建プロジェクト」のもと、学生有志が集まり2005年に結成した団体です。その後、2006年にジャワ島中部地震で被害のあったインドネシアへの支援もスタートさせました。私たちは、地域コミュニティの開発支援など、ソフト面からの支援をおこなっています。毎年、年に2回、夏と春にインドネシアのカラキジョ地区および立命館が再建した小学校を訪れ、現地の人たちと一緒に復興に向けた取り組みを行っています。
松田さん:
カラキジョ地区では、現地で住民のみなさんに防災教育のレクチャーや、衛生・環境に関するワークショップなどを提案、実施してきました。ですが、活動を続ける中で徐々に課題も見えてきました。今後の取り組みについて話し合いをしていた時のことです。住民のみなさんから「衛生意識を高めるためにゴミ拾い大会をやりたいと思っている。CheRitsがやってくれないか」と依頼されました。私たちは、彼らの自発的な復興をサポートしていたつもりでしたが、いつしか「CheRitsが復興を考える」という状態になってしまっていることに気づいたのです。この取り組みは、実際に生活をしている住民のみなさんが自主的に行動しない限り、今後も活かされることがないんです。この反省をもとに、2011年3月の訪問では、住民のみなさん自身に防災を兼ねた村おこしの企画を考え、実施してもらうことを計画しています。
城さん:
モノの復興はできても、心の面については、現地の人の力でしか復興できないんだと活動を通じて強く感じました。彼らには、実際に生活することで得る経験や愛着があります。「もっと良くしたい」という想いも強い。私たちは、まず住民のみなさんの希望を聞き、理解し尊重する。何より大事なことは、住民のみなさんと一緒に実行することだと思いました。
松田さん:
国際協力に興味がある人は、実際に現地を訪れてみることをお勧めします。現地の人や、同じ志を持って活動している人たちと出会うことで、メディアから得られる情報だけではなく、彼らが本当に求めていることを感じとることができると思います。また、国際協力は支援を受ける人たちの生活にも関わってくる重要な取り組みです。支援方法を間違えると悪影響すら与えかねません。自分たちの考えだけではなく、そこで暮らす人々のことをよく知り、学生という立場に甘んじず、責任を持ってこれからも活動を続けていきたいと思っています。
松田さん(左)と城さん(右)
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