コンクリート楽器のおおいなる挑戦!
村上雅美さん(理工学部4回生)
平尾一樹さん(理工学研究科博士課程前期課程2回生)
理工学部マテリアル研究室
第8回全国手づくり楽器アイデアコンテストで「会長賞(1位)」を受賞!
(村上さん)
私たちはコンクリート楽器の研究を行っています。研究以外にも、私は音楽サークルで、ずっとトランペットを演奏してきたのもあり、4年間の集大成としてコンクリートでトランペットを作ってみたいと思っていました。製作にあたり、研究担当の明石知樹先生に相談したところ、曲線部分の製作が難しいからと最初は反対されましたが、試行錯誤の結果、ゴムホースを使って、曲線部分を再現する事ができました。
またこれ以外にもさまざまな課題がありました。まずコンクリートでピストンが作れないので、かわりに穴を開けた「バロックトランペット」を採用したり、また手でもてる管楽器をつくることが目標だったのでコンクリート楽器の軽量化にも取り組みました。それについては明石先生からのアドバイスで、模型に銅メッシュを貼りつけて、コンクリートで肉付けしていきました。そうすることで、通常よりも軽い1kg程度のコンクリート楽器を製作する事ができましたね。様々な試行錯誤を繰り返し、完成したのはコンテストの2日前でした。
(平尾さん)
僕がこの研究を行うのは2年目です。昨年はコンクリートを使った「ダルシマー」という民族楽器を作ったので、今年は管楽器に挑戦してみたいと思っていました。先生方と相談し、クラリネットとリコーダーをかけあわせた楽器を製作。「クラコーダー」というオリジナルのネーミングも考えました。クラコーダーは、穴の位置によって発する音が違います。楽器製作の際に前もって指穴をあけて製作し、後で穴をあける作業を省きました。そして、完成した楽器の音をチューナーで一つずつ音階を確認していきましたね。
特に研究を重ねたのはリードの製作です。最初は、昨年の優勝者が演奏した「フィルムケースでできた笛」をリードに使っていたのですが、音が小さく、トランペットの音色に負けてしまうので、竹でできたオリジナルリードを使うことにしました。そうやって、一つずつ改良していくのにも時間がかかりましたね。

―今回のコンクリート楽器の魅力は?
(村上さん)
楽器の軽さと色ですね。最初に作った1基目は、コンクリート特有の暗めの色がでていると言われたので、コンクリートらしさを残しつつ、明るさがでるように「ホワイトセメント」を使いました。そうすることで光沢もでて、きれいに見えるようになりましたね。
また最初はコンクリートの暗いイメージが音にでていましたが、改良することにより、かなり金管楽器の音に近づけられたと思います。
―当日のコンテストはいかがでしたか?
(平尾さん・村上さん)
コンテストが行われる前に、応募した約400組の中からビデオ審査で10組に絞られ、最終に残ったチームは、当日、会場で1組ずつ演奏を行います。本番、私たちの楽器が鳴るのかどうか最初に音をだすまでは心配でしたが、音が鳴ってからはいつもどおり落ち着いて演奏することができました。表彰式で名前を呼ばれた瞬間は、すごく嬉しかったです。引率してくれた岡本先生や明石先生もすごく喜んでくださいました。特に岡本先生は、毎年「優勝したい」とおっしゃっていたので、最後に恩返しができてよかったです。
毎年コンクリート楽器でコンテストに挑戦してましたが、オリジナル性がないと言われ続けてきました。また楽器が重く、演奏している途中に疲れてしまうので、軽くするのも課題だったのですが、今回は全てクリアできたところが評価されたのではないかと思います。
―4年間を振り返り、あらためて思うことは?
(村上さん)
サークルにも打ち込んできましたが、この1年間は研究に打ち込み、とても濃い時間を過ごせたように思います。特に長期休暇も、毎日、大学に通い研究を重ねてきました。努力した分、今回の結果はとても嬉しいですね。
(平尾さん)
昨年あたりから、コンクリート楽器の事がメディアにとりあげられたり、論文を発表する機会があったり、自分の研究したものが徐々に認められていく喜びを感じていました。最後にこのコンクールで優勝できたことが本当にうれしかったです。研究を支えてくれた方たちにはとても感謝しています。

―今後の目標を教えてください。
(平尾さん)
今、研究の事をまとめた論文を書いています。いいコンクリート楽器を作るには「音、外見、重さ、強度」が欠かせません。今回の楽器は総合的にそれを全て満たしていると思います。卒業後は、コンクリート関係の仕事につきます。職場では、新しいコンクリートのアイデアを活かした事業に携わり、コンクリートの可能性を広めていきたいですね。
(村上さん)
私は春から3Dキャドを用いた機械設計の仕事をします。手に職をつけたいので、まじめにコツコツと仕事をしていくことを目標に取り組んでいきたいですね。
-最後に、岡本研究室のみなさんと先生方へのメッセージをお願いします。
みんなそれぞれ研究分野が違うのですが、進捗状況をよく気にしてくれましたし、賞をとった時も一緒になって喜んでくれました。岡本研究室のテーマである「明るく楽しくたくましく」の通り、研究室の環境もとてもよかったと思います。大事な仲間ですね。
■今年で定年退職される明石知樹教授へ・・
重点的に僕たちの研究を見てくれました。コンクリート楽器の研究を常に支えてくださって、本当にありがとうございました。
■岡本享久教授へ・・
学生のために、いろいろと奔走してくださいました。また課題解決のため、外部の会社や京都へも連れてってくださったり。人とのつながりを教えていただきました。
支えてくれる人あっての研究だということを教えてくださったのは先生です。
本当にありがとうございました。
■岡本享久研究室ホームページ

私たちはコンクリート楽器の研究を行っています。研究以外にも、私は音楽サークルで、ずっとトランペットを演奏してきたのもあり、4年間の集大成としてコンクリートでトランペットを作ってみたいと思っていました。製作にあたり、研究担当の明石知樹先生に相談したところ、曲線部分の製作が難しいからと最初は反対されましたが、試行錯誤の結果、ゴムホースを使って、曲線部分を再現する事ができました。
またこれ以外にもさまざまな課題がありました。まずコンクリートでピストンが作れないので、かわりに穴を開けた「バロックトランペット」を採用したり、また手でもてる管楽器をつくることが目標だったのでコンクリート楽器の軽量化にも取り組みました。それについては明石先生からのアドバイスで、模型に銅メッシュを貼りつけて、コンクリートで肉付けしていきました。そうすることで、通常よりも軽い1kg程度のコンクリート楽器を製作する事ができましたね。様々な試行錯誤を繰り返し、完成したのはコンテストの2日前でした。
(平尾さん)
僕がこの研究を行うのは2年目です。昨年はコンクリートを使った「ダルシマー」という民族楽器を作ったので、今年は管楽器に挑戦してみたいと思っていました。先生方と相談し、クラリネットとリコーダーをかけあわせた楽器を製作。「クラコーダー」というオリジナルのネーミングも考えました。クラコーダーは、穴の位置によって発する音が違います。楽器製作の際に前もって指穴をあけて製作し、後で穴をあける作業を省きました。そして、完成した楽器の音をチューナーで一つずつ音階を確認していきましたね。
特に研究を重ねたのはリードの製作です。最初は、昨年の優勝者が演奏した「フィルムケースでできた笛」をリードに使っていたのですが、音が小さく、トランペットの音色に負けてしまうので、竹でできたオリジナルリードを使うことにしました。そうやって、一つずつ改良していくのにも時間がかかりましたね。
―今回のコンクリート楽器の魅力は?
(村上さん)
楽器の軽さと色ですね。最初に作った1基目は、コンクリート特有の暗めの色がでていると言われたので、コンクリートらしさを残しつつ、明るさがでるように「ホワイトセメント」を使いました。そうすることで光沢もでて、きれいに見えるようになりましたね。
また最初はコンクリートの暗いイメージが音にでていましたが、改良することにより、かなり金管楽器の音に近づけられたと思います。
―当日のコンテストはいかがでしたか?
(平尾さん・村上さん)
コンテストが行われる前に、応募した約400組の中からビデオ審査で10組に絞られ、最終に残ったチームは、当日、会場で1組ずつ演奏を行います。本番、私たちの楽器が鳴るのかどうか最初に音をだすまでは心配でしたが、音が鳴ってからはいつもどおり落ち着いて演奏することができました。表彰式で名前を呼ばれた瞬間は、すごく嬉しかったです。引率してくれた岡本先生や明石先生もすごく喜んでくださいました。特に岡本先生は、毎年「優勝したい」とおっしゃっていたので、最後に恩返しができてよかったです。
毎年コンクリート楽器でコンテストに挑戦してましたが、オリジナル性がないと言われ続けてきました。また楽器が重く、演奏している途中に疲れてしまうので、軽くするのも課題だったのですが、今回は全てクリアできたところが評価されたのではないかと思います。
―4年間を振り返り、あらためて思うことは?
(村上さん)
サークルにも打ち込んできましたが、この1年間は研究に打ち込み、とても濃い時間を過ごせたように思います。特に長期休暇も、毎日、大学に通い研究を重ねてきました。努力した分、今回の結果はとても嬉しいですね。
(平尾さん)
昨年あたりから、コンクリート楽器の事がメディアにとりあげられたり、論文を発表する機会があったり、自分の研究したものが徐々に認められていく喜びを感じていました。最後にこのコンクールで優勝できたことが本当にうれしかったです。研究を支えてくれた方たちにはとても感謝しています。
―今後の目標を教えてください。
(平尾さん)
今、研究の事をまとめた論文を書いています。いいコンクリート楽器を作るには「音、外見、重さ、強度」が欠かせません。今回の楽器は総合的にそれを全て満たしていると思います。卒業後は、コンクリート関係の仕事につきます。職場では、新しいコンクリートのアイデアを活かした事業に携わり、コンクリートの可能性を広めていきたいですね。
(村上さん)
私は春から3Dキャドを用いた機械設計の仕事をします。手に職をつけたいので、まじめにコツコツと仕事をしていくことを目標に取り組んでいきたいですね。
-最後に、岡本研究室のみなさんと先生方へのメッセージをお願いします。
みんなそれぞれ研究分野が違うのですが、進捗状況をよく気にしてくれましたし、賞をとった時も一緒になって喜んでくれました。岡本研究室のテーマである「明るく楽しくたくましく」の通り、研究室の環境もとてもよかったと思います。大事な仲間ですね。
■今年で定年退職される明石知樹教授へ・・
重点的に僕たちの研究を見てくれました。コンクリート楽器の研究を常に支えてくださって、本当にありがとうございました。
■岡本享久教授へ・・
学生のために、いろいろと奔走してくださいました。また課題解決のため、外部の会社や京都へも連れてってくださったり。人とのつながりを教えていただきました。
支えてくれる人あっての研究だということを教えてくださったのは先生です。
本当にありがとうございました。
■岡本享久研究室ホームページ