春からプロの女流棋士へ
北村桂香さん(立命館宇治高等学校3年)
私の名前は「桂香」と書きます。これは将棋好きの父が盤上の「桂馬」「香車」の駒を見て、そこから名付けてくれました。一人娘の私は、父の練習相手として小学一年生で将棋を指し始め、六年生にもなると、父を負かせるくらいの実力になっていました。小学四年生から日本将棋連盟に所属し、純粋な楽しみとして指していた将棋から、強さを求める将棋へと変わっていきました。「もっと強くなりたい」という気持ちは日に日に増し、ステップアップのため通い始めたのが、現在の師匠である小林健二九段の教室です。師匠は、対局時に時間制限が気になり焦って失敗してしまう私とは正反対で、どんな場面でも常に冷静です。戦形や手筋など戦術的な面の指導はもちろんですが、精神的な部分や、次世代の棋士たちを温かく指導する姿からは学ぶところが多くあり、人生の師匠としても尊敬しています。
昨年、関西研修会において規定の勝利数を収めたため在籍クラスが「C1」へと昇級し、今年の春から、女流三級となります。アマチュアからプロの道へと進むわけですが、ここに至るまでの道のりでは、スランプがありました。中学時代は、なかなか思うように勝つことができず、「もう将棋をやめたい」と考えてしまう辛い期間を過ごしました。将棋に身が入らない時期は、好きなアイドルが出演するTVを見てリラックスしたり、心の支えである母に胸のうちを聞いてもらったりすることで、なんとか耐えていましたね。そんな状況でも、ここまで続けてこられたのは、負けたときの悔しさに勝る勝利の喜び、最善手が指せたときの嬉しさ、一手一手に意味がある奥深い「将棋の魅力」のおかげだと思っています。

苦しい時間を乗り越えた結果、高校一年生のときに全国優勝を果たすことができました。自信を取り戻していくと同時に、同い年で中学時代からの良きライバルである長谷川優貴さん(現在:女流二段)がタイトル戦に挑戦して活躍する姿にも刺激を受けて、「プロになりたい」という気持ちが一気に高まっていきました。
これから正規のプロとなる女流ニ級に昇級するには女流棋士の先輩たちと対局し勝星を積み重ねていかなくてはいけませんし、負け続ければ降級となってしまいます。今は自信がありませんが、アマチュア時代に比べて応援してくれる方たちの声援を背中に感じることも多くなるので、プレッシャーに弱い性格を克服して、今まで以上に真剣に将棋と向き合っていきたいです。
将棋ではないけれども、「夢に向かう」という共通した目標を持った学校の友達と、いつも「がんばろうね!」とお互い励まし合っているので、友だちはとても大きな存在ですね。
今は、教室で子ども達に将棋を教えることも多くなり、自分よりも年下の子どもたちが将棋に熱中する姿を見ると、一人でも多くの人に将棋の魅力を伝えたいという気持ちが湧いてきます。将来的には自分で教室を開きたいという目標もありますが、まずは棋士として戦う姿を見てもらうことによって、将棋に貢献できるように頑張っていきたいです。
昨年、関西研修会において規定の勝利数を収めたため在籍クラスが「C1」へと昇級し、今年の春から、女流三級となります。アマチュアからプロの道へと進むわけですが、ここに至るまでの道のりでは、スランプがありました。中学時代は、なかなか思うように勝つことができず、「もう将棋をやめたい」と考えてしまう辛い期間を過ごしました。将棋に身が入らない時期は、好きなアイドルが出演するTVを見てリラックスしたり、心の支えである母に胸のうちを聞いてもらったりすることで、なんとか耐えていましたね。そんな状況でも、ここまで続けてこられたのは、負けたときの悔しさに勝る勝利の喜び、最善手が指せたときの嬉しさ、一手一手に意味がある奥深い「将棋の魅力」のおかげだと思っています。
苦しい時間を乗り越えた結果、高校一年生のときに全国優勝を果たすことができました。自信を取り戻していくと同時に、同い年で中学時代からの良きライバルである長谷川優貴さん(現在:女流二段)がタイトル戦に挑戦して活躍する姿にも刺激を受けて、「プロになりたい」という気持ちが一気に高まっていきました。
これから正規のプロとなる女流ニ級に昇級するには女流棋士の先輩たちと対局し勝星を積み重ねていかなくてはいけませんし、負け続ければ降級となってしまいます。今は自信がありませんが、アマチュア時代に比べて応援してくれる方たちの声援を背中に感じることも多くなるので、プレッシャーに弱い性格を克服して、今まで以上に真剣に将棋と向き合っていきたいです。
将棋ではないけれども、「夢に向かう」という共通した目標を持った学校の友達と、いつも「がんばろうね!」とお互い励まし合っているので、友だちはとても大きな存在ですね。
今は、教室で子ども達に将棋を教えることも多くなり、自分よりも年下の子どもたちが将棋に熱中する姿を見ると、一人でも多くの人に将棋の魅力を伝えたいという気持ちが湧いてきます。将来的には自分で教室を開きたいという目標もありますが、まずは棋士として戦う姿を見てもらうことによって、将棋に貢献できるように頑張っていきたいです。
- 取材・文
- 犬塚直希(経済学部6回生)*回生は、2013年3月の取材時