TAガイドライン
ティーチング・アシスタント制度に関するガイドライン・就業規則
ガイドラインの目的
1.ティーチング・アシスタント・ガイドラインの目的
ティーチング・アシスタント制度に関するガイドラインは、ティーチング・アシスタント(以下「TA」と呼ぶ)およびTAに関係する教員、事務局の役割、責任、権限などを定め、TA制度の円滑な運営を維持することで、本学の教育力を高めることを目的とする。
TAの定義
2.TA制度の役割
立命館大学のTA制度の目的を以下のように定める。
TA制度は本学大学院学生をTAとして採用し、教員とともに教育を補佐・援助することを通じて、本学の教育の向上に資することを目的とする。また、大学院生自身にとっても、自らの教育力を高め、研究者・教員等の進路への重要なキャリアとして位置付けられるものとする。
3.TAの資格
TAは本学大学院生が務めるものとする。なお、TAを務めることのできる資格と担当授業の関係は次のとおりとする。
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学部 | 前期・修士・ 専門職学位課程、 一貫制博士課程の2年次まで |
後期課程、 一貫制博士課程の 3年次以降 |
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前期・修士・専門職学位課程、 一貫制博士課程の2年次まで |
○ | × | × |
後期課程・一貫制博士課程の 3年次以降 |
○ | ○ | × |
TAの業務
4.TA業務の範囲
TA業務は、教員の責任のもとにおこなわれ、「2.TA制度の役割」を踏まえ、以下の範囲とする。
- 授業関係業務
- 授業外における業務
- 授業中における業務
- 学部・研究科教学関係業務
実験・実習補助、学生への助言、グループワークなどの補助、授業アンケート・インタラクティブシート・コミュニケーションペーパー等の実施、出席管理補助、情報機材の操作補助、資料配布、授業のVTR撮影、学外見学引率補助(授業時間内)、授業環境の維持1
授業の発表・報告のための指導及び支援、(特に留学生・社会人学生・障害学生に対する)授業理解促進のための指導および支援、授業に関する学生のレポート・ペーパーなどに関する指導、レジュメ・教材等作成補助、コースツール・授業に関連するHPの運用支援やメンテナンス、学外見学引率補助(授業時間外)、期中のレポート・小テスト・授業感想・コミュニケーションペーパー・資料などの整理2
日常評価に関わる小レポート、小テスト、出席などについては、教員の最終チェックおよび責任を前提として、TAがその一部を担当することができる。担当ができるのは、記号選択問題など単純な採点、答案やレポートの事前チェック、出席の集約などとする。学習相談室等での勤務、卒業論文指導補助、自主的学習活動の指導および支援、学内ゼミ大会やゼミ大会に関わる指導および支援、学部共通教材の開発・準備に関する補助
5.TAが担当できない業務
以下の業務は、TA が担当することはできないこととする。
- 成績評価
- 定期試験およびレポート試験について、TA が関係することはできない。
- 点数化・評価(A+/A/B/C/F など)、成績の管理、採点報告表への転記について、TAが携わることはできない。また、成績評価に関係する出席簿・小テスト・小レポートの現物管理も教員の責任である。
- 上記のTA業務に関係ない教員の秘書的な業務
成績評価は教員が責任を有し、教員以外がこれに従事してはいけない。具体的な運用は以下のように定める。
学会の実務、授業に関連しないHPのメンテナンス等、定期試験監督業務
6.TA業務の追加・削減
TAに関して新たな業務の追加・削減を行う場合、適切な教学機関で全学的な検討を経て行われることとする。
教員の業務
7.教員の役割
TA業務を指示する教員は、本ガイドラインを遵守し、以下の役割を有する。
- 授業計画立案の際、TA業務の内容・責任等を明確にする。
- TAの勤務管理を行う。
- 授業内外でTAに業務を指示する。
- TAと協力し、教室の受講環境を整え、授業の質の向上に努める。
- TAが安心して業務を遂行できるように授業運営を行う。
- 授業計画、授業内容、業務内容、授業外業務などに関して、セメスターを通じてTAと打ち合わせを行う。
- 将来教育・研究者を目指すTAについては、TAの本来の目的及び業務執行を阻害しない範囲で、業務を通じて教育者としての経験を積むことができるよう、業務内容を配慮するように努める。
TAに関する学部・研究科・教学機関の役割
8.TAの雇用
各TAの所属は任用される各学部・研究科および教学機関とする。
9.TAの募集
TAを任用する学部・研究科・教学機関は、TAを希望する教員が提示する募集の内容が、本ガイドラインで定めるTAの業務内容、および募集に関する定めなどから逸脱していないか確認する役割を有する。
10.採用に関する決定
TAの採用は、雇用開始前までに任用される授業の学部教授会、研究科委員会、研究科教授会のいずれかで審議の上決定する。雇用前の審議が困難な場合、事後の承認も可能とする。採用の取消については、採用と同様に、学部教授会、研究科委員会、研究科教授会のいずれかで審議の上決定する。
11.TA制度運用の管理
本ガイドラインに定める内容を踏まえ、TAを任用する学部・研究科・教学機関の長は、TA制度の運用の責任を有する。
12.事務局
TAの雇用に関しては、雇用する学部・研究科の事務室、および教学機関の事務局が事務を担当し、TA制度の運用を補佐する。
TA制度の運用
13.待遇に関する取り決め
- TA給与は、1授業時間(1授業時間は90分)あたり3,000円とする。これは、授業前後の作業時間(30分)を含む。
- 授業外業務については、1時間あたり1,500円(30分あたり750円)とする。授業外業務の業務時間数は、募集要項に明示する。
- TAの業務は、全ての業務を含めてセメスター平均で週実働15時間以内とする。ただし、前期セメスター、後期セメスター以外の期間における集中講義を除く。
なお、実際の業務時間・負担においては、TAの学修等に支障がないように授業担当教員が十分に配慮する。 - 交通費は支給しない。但し、所属キャンパスと異なるキャンパスで勤務する場合は、交通費を支給する場合がある。支給基準については、立命館旅費支給規程を準用する。
14.雇用に関する取り決め
- 学部・研究科・教学機関は、科目(もしくは一定の科目群)毎にTA募集要項を定める。募集にあたっては、統一フォーマットを用いて、授業担当教員が作成する。募集要項は、本ガイドラインで定められているTA業務の内容を遵守して作成されなければならない。
- 募集に際しては、以下の項目を明示する。
- 募集科目・人数・担当教員名
- 業務内容(具体的業務)
- 応募資格、求められる技術など
- 授業外業務の内容と時間
- 条件・待遇
- 応募方法・期間
- 選考方法・結果発表
- 事務局・問合せ先
- 募集要項は、別に定める事務局がセメスター毎に主管部課へ送付する。事務局および主管部課は募集要項を1年間保存する。
- 雇用の際、学校法人はTAと雇用契約を締結する。
- 雇用の際、TAは別に定める誓約書を事務局へ提出する。
15.出勤簿の提出
TAは、毎月定められた日に、事務局へ出勤簿を提出する。
16.研修に関する取り決め
TAを管轄する事務局と主管部課は、TAに関して適切な研修を実施する。TAは、適切な研修を受講する。
17.危機管理
- 危機管理体制
- 授業担当教員は、危機やトラブルなどにあたり、速やかな解決に努力するとともに、適切な報告を行う責任を有する。
- TAは、業務執行にあたり、受講生とのトラブルが起こった際は、授業担当教員に相談・報告する。授業担当教員は相談内容を速やかに事務室もしくは事務局3に報告する。
- TAは、業務執行にあたり、授業担当教員とのトラブルが起こった際は、事務室もしくは事務局に相談・報告する。
- 事務室もしくは事務局は、トラブルの内容を速やかに執行部4および主管部課に報告する。事務室もしくは事務局は相談窓口を設置し、少なくとも1名の担当者を配置する。また、主管部課にはTA業務を総括する担当者を配置する。
- 執行部は、主管部課および事務室もしくは事務局と協議の上、必要に応じて対応策を講じる。TAと授業担当教員の関係におけるトラブルの場合は、両者の関係に配慮して対応する。
- 上記2.~5.に関しては、後述のハラスメント対応の場合には適用されない。
- 上記にかかわらず、事件や事故など緊急性を要するトラブルが発生した場合は、授業担当教員はTAへ適切な指示をするとともに、近くの事務室5へすぐに連絡する。事務室は、執行部、総務部へ至急連絡するとともに、必要に応じて保健センターへ連絡する。さらに教職員が必ず複数で現場に急行し、被害学生等の緊急連絡先などの情報を収集する。
- ハラスメント対応
- 授業担当教員およびTAは「立命館大学ハラスメント防止のためのガイドライン」をよく理解し、それぞれの言動および行動等が、学生やTA等に対するハラスメントに繋がらないよう、十分に配慮する。
- 授業担当教員およびTAは、ハラスメントに該当する行為を受けるもしくは目撃した場合は、速やかに立命館大学ハラスメント防止委員会の適切な窓口に報告・相談する。
- 個人情報保護
- TAは業務上知り得た学生の成績や連絡先などの個人情報を、TA業務以外に利用してはならない。
- TAは雇用の際、別に定める個人情報保護に関する誓約書を提出する。
- TAは個人情報を、教室、事務室、授業担当教員の個人研究室もしくはその他限られた学内施設の中でしか利用してはならない。ただし、学内であっても個人所有のパソコンで処理してはいけない。また、どのような媒体や方法によっても、自宅等の学外に持ち出すことはできない。個人情報を含む情報を取り扱う場合は、教員の許可と指示のもとで行い、保管場所は教員の管理下とする。

18.検証制度
主管部課は、毎年1回、教員・TAを対象としたアンケートを実施する。また、適宜、学部受講生からの意見についても集約する。各アンケートを分析した結果については、次年度の制度改善に活用する。
19.主管部課
大学院課がTA制度の主管部課とし、TA制度と運営について管理および責任を有する。TAの研修については、教育開発支援課(大学教育開発・支援センター)が主管部課と協力してこれを主管する。
1授業環境の維持は、教員が責任を有する。大規模授業(200名以上を目安)においては、TAは教員の直接の指示によって、途中入退室の際の整理など授業環境の維持を補佐することができる。
2成績評価に関わっては、「5.TAが担当できない業務」に留意すること。
3危機管理における「事務室もしくは事務局」は、その授業の開講責任であり、TAを雇用している学部・研究科・教学機関の事務室もしくは事務局を意味する。
4執行部とは、その授業の開講責任であり、TAを雇用している学部・研究科・教学機関の執行部を意味する。
5緊急のトラブルの場合は、授業開講責任やTAが雇用されている事務室や事務局に関係なく、物理的に近い事務室へ連絡をし、その事務室が適切な対応をする。
附則(2010年9月27日 出入国管理法の改正により、外国人留学生が所属する教育機関においてTA業務に従事する場合、資格外活動許可が不要となったことにともなう一部改正)
このガイドラインは、2010年9月27日から施行し、2010年9月26日から適用する。